・ ベッリーニとカルパッチョ 同人物の肖像画 と メフメト2世の逸話

暫くベッリーニ一家、ジョヴァンニとジェンティーレの兄弟の話題が
続いていますが、もう1つのお話をどうぞ。

弟のジョヴァンニ・ジェンティーレの、自画像を挟んでの彼の作品と、

1-Grafiche-blog.jpg



ジョヴァンニが描いたヴェネツィアのドージェ、レオナルド・ロレダン・
Leonardo Loredanの肖像画を。

2-Giovanni_Bellini_portrait_of_Doge_Leonardo_Loredan.jpg

板に油彩 62cmx45cm 1501-1502 ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

素晴らしい衣装のドージェが、青空を想わせる青色を背景に描かれており、
丁寧な筆致の、優れた肖像画と思います。

主題となったレオナルド・ロレダン(1436-1521)は、第75代のドージェ・総督、
任期は1501年から1521年ですから、選任されてすぐに肖像画を依頼したものと。

政治的に優れた人物で、難しい時期のヴェネツィア共和国の政治を
守った、というのですが、オスマン帝国との平和を保ったものの、
カンブレイ同盟戦争を引き起こし、8年に渡る戦争に巻き込まれ、
結局は疲弊し、ヴェネツィア共和国の力を落としたものだったそう。

死後には、国家資金の充当について調べを受け、相続人は有罪となり、
国家に返済する事に、というドージェでした。



所で同じレオナルド・ロレダン総督を、ヴィットーレ・カルパッチョ・
Vittore Carpaccioも描いており、こちらを。

5-Vittore_Carpaccio_-_Portrait_of_the_Doge_Leonardo_Loredan_-_WGA04337.jpg

こちらは、板に油彩 1501年 67,7x50,6cm コレクション蔵

こちらは、と書いたのも、調べていて何枚か同様の絵があちこちにあることが分かり、
ベルガモのカッラーラ美術館にも、ヴェネツィアのコッレール博物館にも同様の絵があり、
一応カルパッチョの作品となっておりますが、彼の工房の作品ではないかと。

制作年も1501~1505年ですから、やはりドージェ就任直後の作品と。

顔もカルパッチョの方が頬の落ち込みが深いものの、同一人物であるのは確かで、
ですが、肌が何となしになめし革風に光るのも少し気になりますし、
ジョヴァンニの肖像を見たあとでは、やはり筆力、実力の違いを感じませんか?!



カルパッチョの絵で有名なのは、この「2人のヴェネツィア貴族女性と、ラグーナの狩り」
ですが、これは少しピンとこずで、

3-Vittore_carpaccio,_due_dame_veneziane_e_caccia_in_laguna - Copia.jpg



こういう風に上部を切ると、すぐお分かりでしょう?
そう、いわゆる「ヴェネツィアの娼婦」と呼ばれている絵ですね。

4-Vittore_carpaccio,_due_dame_veneziane_e_caccia_in_laguna.jpg

本当にそうなのかどうか、でも、陽に焼いてブロンドにした、という髪の毛の色と、
高いヒールの靴を履いているので、という事の様で。

カルパッチョの作品もたくさんヴェネツィアのアッカデミア美術館に残り、
当時としては抜きんでた画家でしたが、こうして比べると恐ろしいもので。

  

所で、先々回にご紹介した、ジェンティーレ・ベッリーニの、トルコのスルタン、
メフメト2世の肖像画の時に、お気に入りのジェンティーレをお傍に、
彼の描いた斬首の絵について疑問があると、というのを覚えておいででしょうか?

あの時は記憶に残っていたままを書いたのでしたが、そこ後あれこれ検索していて、
偶然に引っ掛かったのが、今回のおまけというか、新しい逸話です。
   
フランチェスコ・アイエス・Francesco Hayezというヴェネツィアの画家がいますが、
有名な「接吻」図や、様々なヴェネツィアの歴史事件を描いている画家で、
  
彼がなんとこのジェンティーレとメフメト2世の様子を描いているのですね。

これがまぁ、なんとも大衆受けを狙ったエキゾチック感満点の画面で、
メフメト2世が、ジェンティーレの絵を見て、斬首された首はこうではない、と
罪人を引き出して斬首させた、という、その全てが描かれていて、

6-francesco-hayez-gentile-bellini-and-mehmet-.jpg

罪人も左に見え、スルタンの前には刀を差しだす宦官かな、おまけにスルタンの後ろに
ハーレムの女性も3人程。 これはもうあり得ない事で、ハーレムにはスルタン以外の
男は入れなかったというので、こんな所に顔を出すわけもなく、

絵をスルタンに見せている若いのがジェンティーレ? 彼は50歳だったんだよぉ!
左隣の恰幅の良いのは、ヴェネツィア共和国の法務官と。
おまけにスルタンは、ご丁寧に指で、あっち!と指しているし、ははは。
  
でもこのサイト記事で、 ジェンティーレの斬首の絵というのは、洗礼者ヨハネ、
つまりサロメが銀のお盆に所望した首の絵と分かり、
ジェンティーレがスルタンの為に描いたのだそうで、本当かどうか知りまへんが、

スルタンがジェンティーレに指摘したのは、斬首された首の皮膚は少し縮む、
という事だったと分かりましたぁ。

このアイエスの絵も、ジェンティーレの聖ヨハネの絵も探し出せませんでしたが、
アイエスのこの絵は、1834年 56.5x78cmと。 どこにあるんだろ?



てな話でしたので、お口直しに、美味しい「ベッリーニ」のカクテルをどうぞ。

7-large_default.jpg

ヴェネトでよく見かける、プロセッコ・辛口発泡性白ワインと、桃のジュースの
爽やかなカクテルで、色もとても綺麗で~す。


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