・ トスカーナ ・ Toscana 


◆ モンテリッジョーニの古い壁  
  Un vecchio muro a Monteriggioni   33.5x25cm
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  トスカーナはシエナの北西に位置するモンテリッジョーニ・Monteriggioni。
  町というよりも村と言った方が正確な感じがある小さな小さな町で、
  周囲をぐるっと市壁が囲み、かって対フィレンツェのシエナの要塞の地だった、
  その面影が良く残っていて、市壁の一部の上にも上がる事が出来ます。


  この裏通りにあった家並は、町でも一番古い建物が残る通りの一郭、
  古いごつごつした、年を経た石組みの美しさにすっかり魅せられ、
  が、描くのは大変難しかった!


  確かこの絵あたりから徐々に色鉛筆を使い始め、
  赤いペンキのはげ落ちた扉の描き込み、木目が浮き出している様子や
  色の変化は、色鉛筆の使用法を大いに納得し、楽しくなった部分です。






◆ 黄昏のアルノ河 ・ フィレンツェ  L’Arno al tramonto   27x21.5cm
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  3年前の秋9月の末にフィレンツェに出かけた時、
  ヴェッキオ橋の上からのアルノ河の夕暮れを撮りに3晩ほど。

  徐々にそして刻々と空の色が変わり、既に暗い水面を行ったり来たり
  トレーニングを続けるカヌーの櫂が動く度に水が煌めく。
  夕暮れの色が濃くなるにつれ逆に明るくなる街灯の色、車のライトの流れ。
  
  肉眼で見える色と、カメラのISOを上げて撮る空の色の違いも興味深く
  追いかけ続け、とっぷり暮れて漸くに宿の近くの中華料理屋に
  ホッと落ち着いてのビールが美味しい、はは、フィレンツェ滞在。


  夕暮れの空の色が描きたくて始めた絵ですが、
  すぐ乾く水彩で空のグラデーションを付けるのがなんと技術的に難しいか!
  グワッシュも使って塗り重ね塗り重ね、なんとかかなぁ、と
  次に水を描き始めた時にハタと戸惑い、
  どう描く?  どう描きたい?  どう描いたら良いんだろ?


  遂に中途で放り出し、これはもうお蔵、と思っていたのですが、
  色鉛筆を使い始めて後、濡れ色と乾き色の変化が無い、色が既にある、
  塗っている途中でも乾く心配が無い、
  ・・つまりグラデーションを出すのもお茶の子サイサイと、ははは、
  色鉛筆の使い良さが分かって来て、

  なんとかなりそう、と長い中断の後取り出し、橋の下の水の部分が
  もっとあったのを切り取り、夕暮れの水の色等などを描き込みました。

  イタリアで時に見かける、とろんとしたピンク色の夕暮れ、
  それがなんとか出来上がったのが、とても嬉しいです。






◆ ゲットーの小路 ・ ピティリアーノ  
  Un vicolo nel Ghetto di Pitigliano - Toscana    17x20.5cm

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  かって「小ジェルサレム」と呼ばれる程の規模のゲットーがあった
  ピティリアーノ・Pitiglianoの町。
  町の目抜き通りに今もユダヤのパン屋さんがあり、お菓子も売っている、
  そのすぐ脇にこの建物の下を潜る石段があります。
   
  本当に暗い古い石段を下の突き当たりまで下り、正面に見える黄色い壁に
  添い右折すると、一番奥にシナゴーガがあり、建物の下がゲットー博物館。

  上記の店ではなく、博物館に含まれる形でかっての古いパン屋の窯もあり、
  葡萄の搾り機も、貯蔵庫も、家畜の屠殺場も、沐浴場も見れるのですが、

  全てこの凝灰岩で出来た町の下、半地下から崖に掘られた横穴式の構造で、
  その暗さと岩のゴツゴツさ加減!
  読んでそれらがある事を知り見に行った訳ですが、
  現実にその暗さと生活場所の凄まじさを見ると、正直な所、少々怖気が。


  射しこむ光にすり減った石段が光り、狭い建物の間にも落ちる僅かな明かり。
  長い時を経て朽ちかけた古い壁の集まりですが、
  暗い中にどこか静謐な明かりが満ちている様子を、描きたかったのです。






◆ ピエンツァ遠望 黄昏  Il tramonto. Pienza - Toscana   30x10cm

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  トスカーナ東南部に出かけた時、基地にしたのはピエンツァ・Pienzaの東
  約9kの位置にある小さな町モンティキエッロ・Montichielloの民宿風の宿で、
  大きな古い建物の上階にあり、1階に女主人の経営する画廊兼土産物店。

  小さな町をぐるっとかっての城壁が囲み、夏には町の広場の特設舞台で、
  町の人々が演ずる「貧しい劇場」が有名で、私が行った時はその直前。
  舞台がトンテンカンと建設中で、夜の教会で最後の練習が行われるのか、
  人々が集まり・・。

  こんな小さな町がなかなかの奥深い歴史を持ち、古い石造りの
  どっしりの建物が並ぶ様は壮観で、
  おまけに素晴らしく美味しいレストランを見つけ、2晩通いましたっけ。


  西の丘の上に見えるピエンツァの向こうに沈む夕日を撮りたいものの、
  7月の上旬の事とて落日は夜の10時近く。  
  こちらも丘の上の町、ひろ~い平野を吹き抜ける風は肌寒く、
  鳥肌立てながら、ははは、町の端の駐車場で3晩粘った想い出の風景。






◆ 麦刈が済んで ・ トスカーナ・ピエンツァ  
  I campi di grano in luglio. Pienza - Toscana  30x20cm

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  トスカーナの地は広く広く大きく波打ち、太古には海の下だったというのが、
  素直に頷けますが、7月初旬何日間か、ちょうど麦刈の季節に訪れました。
        
  トラクターがぐるぐると動き刈り取り中の畑、まだ麦の穂が揺れている畑、
  そしてこんな風に太いトラクターが刈り取った畝が残っている畑。
  乾いた大地が黄土色の濃淡のハーモニーで埋められ、
  時に糸杉の列がアクセントを。

  そう、次に訪問する時は、緑に埋まる大地を見たいもの。



◆ アンギアーリの古い壁  
  Vecchio muro ad Anghiari. Toscana   20x29cm

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  「アンギアーリ」という町の名、最近特に有名なのでご存知の方も多い事と。
  そう、フィレンツェのヴェッキオ宮の大広間にあるG.ヴァザーリの壁画の下に、
  ひょっとしてレオナルド・ダ・ヴィンチが描きかけた
  「アンギアーリの戦い」が残っているのではないか?!
  とヴァザーリの絵に穴を開け調査をした大騒動。

  結局何も見つからず、さっと穴を閉じてあっけないお終いとなりましたが、
  その幻のダ・ヴィンチの絵のモチーフ、「アンギアーリの戦い」があった町。


  町は平野にぐっと突き出した形の、中世がしっかり残る古い町。
  古い見事な壁を見ると、嬉しくてにこにこの壁フェチの私ですが、
  そんな壁があちこちに。
  20年ほど経ての再訪で、町が有名になった分少し観光地的に整備されて
  おりましたが、
  やはり変わらぬ姿で迎えてくれたのでした。






◆ 窓のある古い壁・アンギアーリ  
  Vecchio muro con finesra. Anghiari - Toscana  30x21cm
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