・ シエナのクレーター 谷風景 8P
シエナのクレーター と呼ばれる、月面のクレーターにも似た風景で有名な
トスカーナのアシャーノ周辺。
衛星地図とストリート・ヴューで検索し、アシャーノよりも北、県道438号線沿い
フォンタネッレから東に入り込んだ宿を見つけ、出かけました。
描いたモチーフの、右側がちょうど今居る位置位まで下がった所に宿があり、
ずっと上に歩き、左上の農家の見える辺りで左に入り込み、農家の後ろを抜け、
そして谷のこちら側を下って来ての眺め。
カランキと呼ばれる浸食跡がくっきりと残り、傍には寄れない様、道には鉄条線が
張られ、覗き込むのも恐ろしい様な谷風景ですが、
下から遥かに見渡す谷の広大さ、そしてカランキのすれすれ迄トラクターが耕して
いる見事さ、春の黄色い花が咲き乱れ、午後の陽差しに一層鮮やかに映える・・、
ああ、来た、見れて幸せ! の放心のひと時。
・ 朝の陽 モンティキエッロ・トスカーナ 6P相当
トスカーナはオルチャの谷の中心とも言えるピエンツァの東、直線距離にして
4km程の位置にあり、ずっとピエンツァの下での長い歴史がありました。
小さな町、というより村は、周囲をぐるっと城壁に囲まれ、中の家々は古い石積み
の素晴らしい集落で、道も全て石が敷かれ、ゴミなど何処にもない清潔さ。
オルチャの谷のあちこちを回るのに、この村の宿を基地にし楽しみましたが、
美味しいレストランもあり、夏には村人たちが出演する劇の上演もあり、
単純な田舎の村とは違う趣があり、文化がある村、というイメージでしょうか。
石の色は凝灰岩の、ちょっと脆そうな茶色のヴァリエーションで、その大小の
石積みが醸す何とも言えない味わいに、ピエンツァに行く度に出かけますが、
住人たちが望むような村の発展とは逆に、余り観光客が増えない様に、と
願う1人です。
・ シエナのクレーター 刈り取りの季節 6号
シエナから南東に下りアシャーノを目指します。 グーグル地図によると、シエナの
南東の門ポルタ・ピスピーニからアシャーノ迄25,6km、31分と出ます。
10分程で出会うタベルネ・ダルビア・Taberne D’arbiaから道は県道438号と
なり、このアシャーノ迄の道がカーヴ多く、上り下りする道で、風景を愛でる人間
にとっては、もう忘れられない道。
右に左にカメラを向けたい風景が次々と現れ、有難い事にあまり車の通りも多く
無く、道脇に車を寄せて止められる場所もすぐ見つかるので、走っては止まり、
走っては止まりの行程となり、
同じ方向に進む人間、車が同じ場所でまた顔合わせ、という事に!
このモチーフにした風景は、ちょうど中程のヴェスコーナ・Vesconaの近くで、
道脇に谷が南に長く延び、既に刈り取られた麦畑に残るトラクターの跡ですが、
春先に見る麦畑には、うっすらとした緑色の芽生えが、やはり線になって
見えるのですよ。
写真を撮られる方、絵の取材の方、この道を是非一度通って見て下さいね。