ピエンツァの東隣にある小さな村モンティキエッロ。
城壁に囲まれ、村への出入り口は城壁に開いた1つの門だけ、という
素敵な村で、この眺めはそのモンティキエッロから見る夕暮れ。
今回この黄昏色の、しかもほんのり「天使の階段」も見えている風景を
描き始めた時、
いつも見る、あのピエンツァの北に見える塔は何?
と、今迄もずっと、何かな、あの塔?と思いつつ調べなかった自分の横着さ
に呆れつつ調べ、歴史ある古い家柄の城館パラッツォ・マッサイーニ・
Palazzo Massainiと簡単に。
名は16世紀に再建したマッサイーニ家の物でも、オリジナルは
もっと古い由緒あるものと。
という小さな発見もあった、黄昏色に暮れなずむピエンツァ遠望。
・ シエナの空飛ぶ気球 ・シエナのクレーター 26,5x37cm 5号P
シエナから南西に位置するアシャーノ・Ascianoに連絡する県道438号線を
下る道は、シエナのクレーターと呼ばれるかっては農耕に適さない地、砂漠で、
月のクレーターの様に、石灰岩の岩があちこちに顔を出す道が続きます。
とりわけちょうど中程のフォンタネッレ・Fontanelleという辺りは、起伏に
満ち、谷が筋を描き、素晴らしい風景を求める人には垂涎の地!
ちょうど良いアグリトゥリズムの宿を見つけ、近くの2か所を移りながら
5日間過ごしましたが、朝早く庭に出た時、気球が飛んで行くのに遭遇。
この一帯は気球が飛ぶのに適している様で、ン十年前にシエナで一夏
過ごした時にも、気球が飛ぶのを見ており、
ああ、いつか自分も飛んで見たいよぉ! と願うshinkaiです。
・ オルチャの谷 夏の終わり ・トスカーナ 35x25cm 5号
オルチャの谷、と呼ばれる西はモンタルチーノから、東端のモンテプルチャーノ
迄は27km弱の距離、とグーグルが教えてくれましたが、
その短い距離の周囲に広がる風景の広大さ、起伏の見事さ美しさは、
何物にも代えがたく、何度も何度も行ったり来たり!
ここに見えるマドンナ・ディ・ヴィタレータの礼拝堂に行くには、近年漸く
道路標示が出来ましたが、
県道146号から入り込み、途中からは歩いて礼拝堂の裏道に到着します。
ちょうどこのモチーフの様に。
春は緑一面の起伏する平野と谷の眺め、そして刈り入れ時期の黄金色!
夏の終わりには巻き取られた藁山も姿を消し、耕され、濃い茶色の荒々しい
風景となります。
土地に見える色違いは、太古の海の底からのメッセージ、なのです。
・ モンテリッジョーニの古い壁 ・トスカーナ 41x28cm 6p
シエナから20km程北西にモンテリッジョーニはあり、
元々の村の建設は1210年代の対フィレンツェの防御からで、周囲をぐるっと
城壁で囲み、村の門は南北に一つづつ、中央広場に大きな井戸があり、小さな教会も。
今は敷石で埋まる町も、かっては籠城戦に備え土のままだったそうで、
ほぼ丸い城壁に立つ11本(現在)の監視塔が遠くから見ると
「王冠を抱き・・」とダンテに謳われ。
モチーフのこの家、そしてこの道に立ち並ぶ古い家には13世紀建設、と
あるのも実際に誇張ではなく、古くゴツイ石の家、時に地面からの
立ち上がり部の壁が広がっている家もたくさん見られ、
この家も数年前に訪れ描いた時より整備され、同じ扉の塗りは剝げたものの、
7世紀後の今も健在なのが嬉しい限り!