住んでいる町コネリアーノから南に車で30分程。
自然公園フォンターネ・ビアンケ(白い泉、湧き水)に、随分前
写真仲間と晩秋の朝早く出かけました。
到着した時はまだ霧が深く、湧き水や周囲の林が白い靄に囲まれ、
始めて見た神秘的なイメージに驚き感動、撮りまくり・・!
このモチーフは、少し陽が上って後、林の中に様々に射し込む光の筋に
明るく輝く場所と、逆に霧が濃く木々の背後がうっそうと見える部分と。
もし全体が真昼の均一の光の下なら、こんなに特別な林には見えないだろう、
と思った、そんな不思議な光景を描きたい、と粘ったのでした。
・ 晩秋の朝 ・ヴェネト 30x40 6号
我が町から30分程南に位置する自然公園フォンターネ・ビアンケ・
白い泉・湧き水。 野鳥保護もされ、広い林が広がります。
写真仲間と一緒に広い公園内をあちこち動くうちに陽がしっかり上り、
どんどん霧が晴れ、気持ちの良い青空が広がり、
色づき始めている木々の色、また、既に積もる枯葉の色、
様々な秋の色のハーモニー!
このモチーフは、日本の鮮やかな紅葉と違い、
黄色、ヴェージュ、茶のイタリアの黄葉で、優しく穏やかな秋の彩を。
・ 春が来た! スコミーゴ村 ・ヴェネト 36x27 5号
北イタリアはヴェネト州トゥレヴィーゾ県コネリアーノ市のスコミーゴ村、
に住み着いて既に30年を過ぎ、日本で住んでいたどこの町よりも長く
なりました。 でも、今もとても気に入っています!!
3年ほど前に世界遺産「プロセッコの丘」に指定され、その端っこに位置
するこの一帯。 葡萄畑の畝の流れが続く眺めにはいつも惚れ惚れと。
谷の向こうに見える村はオリアーノで、今、春の先駆けのモグラ達の
活躍が見えるボコボコの草原も、いずれは葡萄畑に。
コネリアーノに出かける時は、カーヴが多く、ゆるゆると下りながら
各季節の眺めを楽しめる、左上に見えるオリアーノ村教会鐘楼前経由でね。
・ 湧き水の流れ 晩秋の朝 ・ヴェネト 38,5x28,5 5号
秋の朝早く、写真仲間と出かけたフォンターネ・ビアンケで見た風景。
湯気が立ち上がる湧き水の流れ、そして川に乗り出す様に伸びた太い木々、
中には近い将来倒木に、と思われる木々も。
始めて見たこんな光景に、いわゆる泰正名画の、全体が茶を帯びた古色蒼然
とした風景を思い重ね、描きたい、描いてみたい、と思ったのでした。
今迄の自分が求めていた色合いとはまるで違う趣に、では茶色系の色に挑戦
してみよう、と、今迄に描いた事がない程の多くの木々とも格闘したものの、
軽くやっつけられ・・。
で、その内に内心から湧いて来た想いは・・、 うん、自分は茶色系の
静謐さを欲しかったけれど、やはり自分が描ける、描きたい方向に、と!
でも、苦労して得た何かは残った様な気がする、小さな放浪記でした。
・林の奥で クリスマス・ローズ ・ヴェネト 13,5x18cm 0号
我がスコミーゴ村の野生のクリスマス・ローズは、緑色の花、花屋で売られる
改良栽培種より丈も低く花も小さめですが、花びらの形も少し違う種、そして
濃い茶色の葉を持つ種もあり、林の中、湧き水の近くに、毎年早春に姿を見せ、
春を告げる花、のように感じ、季節になると楽しみに探しに行きます。
丈が低いので写真に撮るのがなかなか大変ですが、
陽当たりの良い葡萄畑周辺に咲いているのを見ると、丈も高く花も大きく、
なかなか豊満な姿で咲き乱れていたり・・。
この絵は描き出したものの、自分の狙いが明確でなかった為に行き止まり、
背景を洗い落とし2年程置いていたのに再トライしたもので、
なんとか柔らかく纏まりホッとしています。