・ n.1 イタリアにおける、芸術作品の破壊行為 有名な10件

イタリアは世界遺産の数も多く、それ以外にも、いわゆる芸術作品が
本当にゴロゴロと街中に放置されているのはご存じでしょう?

大有名な作品類、彫像などはコピーが作られ、外に置かれて
いますが、絵画類はそうもいかず、

建物の壁、教会の壁のフレスコ画は大きな作品が多いうえ、
保護するにもなかなか難しい訳で、
美術館、博物館に納められた作品が狙われると、なおの事!

そういった芸術作品が狙われ、被害に遭った大きなもの10件を、
2回に分けてご案内致しますね。

参考にしたサイト記事は、
破壊の芸術: イタリアで最も有名な破壊行為 10 件
L’arte della distruzione: i 10 atti vandalici più celebri d’Italia

最初に記述の作品は、アンドレア・マンテーニャのフレスコ画
パドヴァのエレミターニ教会、かの有名なスクロヴェー二礼拝堂の
隣にある教会で、

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オヴェターリ礼拝堂の、「聖クリストフォロの生涯」に、
狂人が絵の具を塗りつけた、という物で、
1993年7月13日に起こったのだそう。

この壁画が有名なのは、第2次大戦の爆撃でほぼ全滅状態に
なったのを、何とか修復され現在に至っている事でも有名なので、
n.2の次回に詳しくご説明いたしますね。


で、今回は n.10から、始めますね。

・n.10 ジョヴァンニ・ベッリーニ「聖母子像」 ピエーヴェ・ディ・サッコ 
    パドヴァ  1478年の作品

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ピオーヴェ・ディ・サッコ、直訳すると「雨袋」とでもなる
面白い地名で、パドヴァから南東に20k程に位置し、行ったことあり!


聖母像のある建物は、聖所・サントゥアーリオと呼ばれる信仰の地で、

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ちょっと読んだ説明では、教会内には木製の物が多いとかで・・、


で、この様に祭壇として祭られている聖母子像の様子で、

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事件が起こったのは1978年4月20日の事で、何者かが
このベッリーニの絵を盗もうとし、

絵は盗まれずに済んだのでしょうが、表面を覆っていた
クリスタルの破片が、画像に重大な損傷を与えたのだそうで。

事件の詳細については触れられておらず、サイトでは詳細が分からずで。



・n.9 ローマの泉

こちらはナヴォーナ広場の有名な、ベルニーニの4つの川の泉
フォンターナ・デイ・クワトッロ・フィウミ。

こちらは広場の真ん中にあり、

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6-fontana-dei-quattro-fiumi_GF.jpg



これを挟んで、モーロの泉と、

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ネプチューンの泉がありますが、 

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上の4河の泉のどこがやられたのか、分かりかね・・、
ええと、shinkaiはまだこの広場に行った事がなく、説明が的確でなく、
申し訳ないっす。


と書きつつ、色々集めた泉の写真を眺めていて、
ひょっとしてこれかな、というのがあり、

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この男が泉に入り込んで破壊し、ぶら下がったのかな、
お巡りさんに捕まった場面ではないかと。



で問題は、噴水のある場所は、ローマ観光に訪れる全ての破壊者の、
自発にせよ、非自発にせよ、お決まりの標的らしく

この4河の泉は1898年でしたが、

蜂の泉、が 2004年

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小舟の泉・ナヴィチェッラ の泉が、 2005年

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バルカッチャの泉 が、2007年

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ナヴィガトーリ・船乗りの泉 が、2010年

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モーロの泉が、2011年  ええと、上記のナヴォーナ広場のですね。

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15-Fontana-del-Moro-Piazza-Navona-Roma-_GF.jpg


という様に、あっちもこっちもやられており、可哀想にぃ、と思うshinkai。

第一、修復の費用が掛かるし、貧乏なイタリア国に、これ以上の
出費をかけさせないで欲しいぃ~っす!!

お巡りさんを配置するにも、国庫が薄いので、お巡りさんの数も
日本の様に多くは雇えない状態なんで~す、察してぇ!

まぁ、一杯飲んでの車の取り締まりも柔らかいのは良いのですがぁ、へへ。



・n.8 バッチョ・バンディネッリ「ヘラクレスとカクス」
    フィレンツェ、シニョリーア広場

と読まれても、どこのか分かりにくいでしょ? はぁ、shinkaiもで、はは、
こちら、シニョーリア広場のヴェッキオ宮への入り口扉脇のこの像の、

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足元の4隅に顔を出している動物の、ちょうど左隅のイノシシ君、の
右の牙が折られた、というのですね。 可哀そうにねぇ!

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1993年4月15日、犯人はピエトロ・カンターナ・Pietoro Cantana.

実はこの男、その2年前にももっとすごい破壊をしている男ですが、
そのお話は次回に。



・n.7 トレヴィの泉 ローマ

この写真をご覧になると、ああ、これか、と思われる方も多いと。

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2007年10月19日の事で、自称ポスト未来主義者と名乗る
グラツィアーノ・チェッキーニ・Graziano Cecchini が、

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赤い染料を大理石の泉に投げ込み、その場にいた多数の観光客に、
人生の記念写真をプレゼントした、という次第。



そして、この男はまたその翌年、スペイン階段の上から50万個の
カラーボールを投げ、スペイン広場の階段、その下の広場にある
バルカッチャの泉をゴミで埋めた、というのですね。

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これもニュースで見ましたが、同じ男とは聞き逃しました。

どちらも記念碑には損傷はありませんでしたが、後片付けに
多額の費用が掛かったそうで、
とりわけトレヴィの泉は、赤い染料が大理石に染み込み、大変だったと!



・n.6 フィリッポ・リッピ「聖ステーファノと洗礼者聖ヨハネの物語」
    プラート、大聖堂

こちらも上に登場の、ピエトロ・カンターナの攻撃で、1993年10月13日。

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このフィリッポ・リッピのフレスコ画に、消えない黒マジック・インクで
「聖ステーファノの葬儀」を狙ったのだそうで。


この壁画は2面あり、大変素晴らしいリッピの作品の様で、

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下の画面の一番下、の位置ですね。 上手く消えたと良いですが。



これは写真を探していて見つけた一場面で、上の一番上、
聖ステーファノの誕生場面で、

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逸話は、
聖人の誕生場面に、女が生まれた赤ちゃんの傍に近寄りたがり、
腕には石を包んだ物を抱えており、気が付いた母親がその石を
赤ん坊に替えて、女を帰らせた、というお話なのだそうで。

なので天使が聖人の赤ん坊を抱えた姿で、見えますね。


という所で、n.1を終わりますが、次回もどうぞお楽しみに!


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