皆さま、ブオン・ナターレ!
良いクリスマスをお過ごしでしょうか?
良いクリスマスをお過ごしでしょうか?
今回はピエロ・デッラ・フランチェスカ(1412頃-1492)の描いた、
「降誕」 彼の晩年に近い1470-1475作とみられる、
「降誕」 彼の晩年に近い1470-1475作とみられる、

124,4x122,6cm 板に油彩
現在はロンドンのナショナル・ギャラリーの所蔵作品で、
約15カ月間を経ての修復が終わり、この12月1日から展示に。
これを最初に知ったのは、11月29日付けの
時はクリスマス:ロンドンのナショナルギャラリーが、ピエロ・デッラ・フランチェスコの修復されたばかりのプレゼーペを公開
In tempo per Natale: la National Gallery di Londra svela il presepe di Piero della Francesca appena restaurato
時はクリスマス:ロンドンのナショナルギャラリーが、ピエロ・デッラ・フランチェスコの修復されたばかりのプレゼーペを公開
In tempo per Natale: la National Gallery di Londra svela il presepe di Piero della Francesca appena restaurato
という事で、修復の様々な苦心点が語られ、長年の様々な手で
修復されすり減り、でもピエロの下描きが見えたので良かった事、
修復されすり減り、でもピエロの下描きが見えたので良かった事、
若い羊飼いが指し示す手の先に、古びた背後の厩舎の屋根の穴があり、
そこから光が射し込んでいる事、
最後に絵を肩の高さに掛ける必要がある事が分かり、これで奇跡的に
前景から遠くの風景迄、全体が巨大な絵画的、および心理的空間を
表している、などなど。
そこから光が射し込んでいる事、
最後に絵を肩の高さに掛ける必要がある事が分かり、これで奇跡的に
前景から遠くの風景迄、全体が巨大な絵画的、および心理的空間を
表している、などなど。
絵を肩の高さに掛ける、云々なんぞを改めて言うべき事なのか、と
ちょっと不審に思ったりでしたが、
ちょっと不審に思ったりでしたが、
添付されていた絵の写真は、修復前、後が横並びの1枚のみで、
少々大きくしてみても細部は良く分からず、

全体の汚れか、ニス焼けが取れて少し明るくなった点、右背後の2人の
羊飼いの顔が修復され、見えるようになった事、位だったでしょうか。
羊飼いの顔が修復され、見えるようになった事、位だったでしょうか。
この絵は私めの大のお気に入りで、いつか行けるならロンドンまでも!
と、修復されたと聞くだけで嬉しい!と思ったのでしたが、
この記事をクリスマス用に用意する為に他の写真を探していて、
写真と共にサイト記事も3つ見つかりました。他にもあるでしょうが。
12月14日付け
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリスト降誕」の修復がロンドンのナショナル・ギャラリーで完成
TERMINATO ALLA NATIONAL GALLERY DI LONDRA IL RESTAURO DELLA “NATIVITÀ” DI PIERO DELLA FRANCESCA CHE SVELA NUOVI DETTAGLI
ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリスト降誕」の修復がロンドンのナショナル・ギャラリーで完成
TERMINATO ALLA NATIONAL GALLERY DI LONDRA IL RESTAURO DELLA “NATIVITÀ” DI PIERO DELLA FRANCESCA CHE SVELA NUOVI DETTAGLI
12月17日付け
ロンドン、ピエロ・デッラ・フランチェスカのキリスト降誕の修復をめぐる論争:「台無し」
Londra, polemica sul restauro della Natività di Piero della Francesca: “rovinata”
ロンドン、ピエロ・デッラ・フランチェスカのキリスト降誕の修復をめぐる論争:「台無し」
Londra, polemica sul restauro della Natività di Piero della Francesca: “rovinata”
12月18日付け
修復によってピエロ・デッラ・フランチェスカの生誕が台無しに? 論争
La Natività di Piero della Francesca rovinata dal restauro? La polemica
修復によってピエロ・デッラ・フランチェスカの生誕が台無しに? 論争
La Natività di Piero della Francesca rovinata dal restauro? La polemica
日本語のタイトルでもお分かりの様に、全てが修復後の様子に
厳しい評価を下しており、とりわけ真ん中の記事は言葉も厳しく、
まぁ評論家の批判の言葉はいつも酷い物ですが。
厳しい評価を下しており、とりわけ真ん中の記事は言葉も厳しく、
まぁ評論家の批判の言葉はいつも酷い物ですが。
記事の上で右クリックされると日本語に翻訳してくれますので、どうぞ。
で、shinkaiめが最初に驚いたのは、大きな画面写真を見てで、
修復前

修復後

そして批評家たちも一番問題として取り上げていた2人の羊飼い、
修復前

修復後

おわかりでしょう? ここまで羊飼いの目を見せて描く必要があるか、
ピエロの画家としての技量に及ぶほどの目を修復家が描けるのかどうか、
取り分け人物画で一番の問題の「目」ですしね、
つまり、ピエロの絵を修復家が仕上げる事が許されるのか、
という様な手の入れようで、
という様な手の入れようで、
残っていた下描きに、薄く色を掛けたら出来上がった、程度では到底無く。
大きな全体の画面で見て下さると分かると思うのですが、
左の天使たちの目よりも、もっと背後の羊飼いの目が、
異様にこちらの鑑賞者の目を引くのですね。
異様にこちらの鑑賞者の目を引くのですね。
髪の毛の色、帽子の色も変に目立ち、必要でない程に色を感じさせ、
右の羊飼いの頬と顎の影も嫌に強く・・、
屋根の穴から零れ落ちる陽が当たる右の壁の石積みの境目の
描き方、これも気になりますねぇ。
描き方、これも気になりますねぇ。
天使の持つリュートかな、の竿が牛の角と重なる部分を、
ピエロが消していたのが、以前見えていたのを今回消した、
ピエロが消していたのが、以前見えていたのを今回消した、
というのは、画家にとっての救いでしたが・・。
修復前

修復後

剥落場面が消えたのは良かった、と思ったものの、こういう覆い方では
何となく、当たり前の絵になり、気品が下がったような気がし・・、
私めは、この絵の本当に静謐な全体の空気、
ピエロが描き込んだ精神性が減った様な気もし、
ピエロが描き込んだ精神性が減った様な気もし、
大きな写真を見て、いささかがっかりしたのでした。
こういうのが、修復の本当に難しい所なのでしょうが、
もっと年月がかかっても、慎重に見極めて修復して欲しかったですね。
もっと年月がかかっても、慎重に見極めて修復して欲しかったですね。
クリスマスだから、と、この記事のアップを楽しみにしていたのに、
少々残念ですが、
が、時はクリスマス。
最後は、本当に美しいままに残った左背後の、川の流れの風景を。

皆さま、ブオン・ナターレ!!
良いクリスマスをお過ごしくださいね。
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