・ ジョヴァンニ・ベッリーニ と アンドレア・マンテーニャ 同じ主題で


ジェンティーレ・ベッリーニ・Gentile Bellini(1429-1507)のベッリーニ家は、

2-caterina cornaro-Gentile_Bellini  il Museo delle Belle Arti , Budapest.jpg

ジェンティーレの他の作品、キプロス女王となったカテリーナ・コルナーロ像
ブタペストの芸術博物館蔵
これはスルタン像にも引けを取らない、素晴らしい作品と思うshinkai。

アーゾロを彩る女性ふたり ・ アーゾロ市立博物館 n.2
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/463693935.html



父親ヤコポ・ベッリーニ・Jacopo Bellini(1396頃-1470頃)

1-Accademia_-_Madonna_col_Bambino_benedicente_e_cherubin_-_Jacopo_Bellini 1455 94x66.jpg

ヤコポの作品 聖母子像   ヴェネツィア、アッカデミア美術館



弟ジョヴァンニ・ベッリーニ・(1433-1516)の絵描き一族ですが、

彼らの姉妹、生年月日が分かりませんが、ニコロジーア・Nicolosia、
一家の一人娘が、1453年にパドヴァ近郊出身の画家
アンドレア・マンテーニャ・Andrea Mantegna(1431-1506)
当時彼は22歳、と結婚します。

逆算すると、父親ヤコポが57歳、兄のジェンティーレが34歳、
ジョヴァンニが20歳で、マンテーニャの2歳年下、という事になりますね。

パドヴァの別の工房で働いていたマンテーニャが、ヴェネツィアで工房を持つ
代表的な後期ゴシック画家であるヤコポに接触をしてきたのだそうで、

当時ヤコポは遠近法を使ったルネッサンス絵画に向いかけていた所で、
この若い才能豊かな画家に目をかけ、彼の考古学的引用の趣味にも
興味を持ち分け持った様子で、1人娘と結婚させます。 婿ですね。

新しい義兄弟に大いに惹かれ、競争心も駆り立てられたのがジョヴァンニで、
マンテーニャと同じ主題の絵を2枚描いていますが、

今日はその内の「神殿へのご紹介」をどうぞ。

マンテーニャ作 1455年 板にテンペラ 67x86cm ベルリン、
         Gemäldegalerie蔵

3-Mantegna, 1455 circa, tempera su tavola, 67x86 cm, Berlino, Staatliche Museen.jpg



ジョヴァンニ作 1460年作 板にテンペラ 80x105cm ヴェネツィア、
         クエリーニ。スタンパーリア蔵

4-Bellini_Presentazione al Tempio.jpg

絵の大きさはジョヴァンニのが大きく、登場人物の数が増えています。
そしてジョヴァンニの方が、人物の顔の表現などが優しい気がしますね。
彼本来の味、趣が出始めている様にも。



所が大変興味深い事に、絵の右端に、画家がそれぞれ自画像を入れていて、
こちらがマンテーニャの自画像、24歳の時

5-Andrea_Mantegna_049_detail_possible_self-portrait.jpg



そしてジョヴァンニ、 27歳。

6-Giovanni_bellini,_presentazione_al_tempio,_autoritratto.jpg

マンテーニャのは、ついでにそっと自画像を入れた、というイメージですが、
ジョヴァンニのは、大いに自己主張し、登場人物の中で1番目線が強い程で、
ははは、これはもう負けん気丸出しの自画像が入っているのでした。


もう1つ同主題で2人が描いている「菜園の祈り」のジョヴァンニの作品は、
大変にマンテーニャの影響が強いもので、
他のジョヴァンニの「ピエタ像」等も余りにもマンテーニャの影響が強く、
あまり好きではありませんが、

ジョヴァンニはこうして競争心丸出しで相手の作品を研究し、自分も負けじと描き、
そして次第に自分の本質に目覚め、柔らかい色と光が溶け込む作品となり、
マンテーニャの影響は消えて行きます。

一方マンテーニャの最後の作品は、本当に柔らかい、繊細な味を持つ絵で、
本当に惚れぼれと、近くに顔を寄せて観たshinkaiめでした。

ピエトロ・ベンボとルネッサンスの創造展 ・ パドヴァ
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461921616.html


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