・ ジェンティーレ・ベッリーニ ・ メフメト2世の肖像

突然ですが、はい、今日はトルコのオスマン帝国第7代皇帝の
メフメト2世・Mefmet IIの肖像画を。

1-800px-Gentile_Bellini_003.jpg

キャンバス 油彩 69,9X52,1cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

画家は、先日「鏡を見る女」を見て頂いたジョヴァンニ・ベッリーニ
(1433-1516)の兄の、
ジェンティーレ・ベッリーニ・Gentile Bellini(1429-1507).

先回ジョヴァンニの作品を1点取り上げた後、他の作品もご紹介を
と思っていたのが、
今記録庫の方の引っ越しでイスタンブルに取り掛かり、つい、
この以前から好きだった肖像画に頭が、という訳です、へへ。


肖像画の主人公であるメフメト2世(1432-1481)という方は、
コスタンティノープル・現イスタンブルを攻略、ビザンツ帝国を滅ぼし、
つまり東ローマ帝国の終焉でもあった訳で、
オスマン帝国を強大にし、ヨーロッパにも征服の手を伸ばした事で
恐れられ、征服者と呼ばれたスルタン・皇帝でした。

一方ヨーロッパ文化に親しみ、西洋の芸術に憧れを持っており、
ヴェネツィア共和国は彼の要請を受け入れ、満足させるために
ジェンティーレ・ベッリーニをコスタンティノープルの宮廷に派遣し、

1479年9月から1481年1月迄、ジェンティーレは王宮に滞在しつつ、
18か月間皇帝メフメト2世の肖像や他の主題も何枚か描いたり、
だったろうというのですね。



こちらがジェンティーレの自画像デッサン。 かなり年が行っての自画像
ですが、ジェンティーレが50歳の時のコスタンティノープル行きですから、
こんな感じだったでしょうか?

2-Bellini_selfportrait(1).jpg

彼を迎えたメフスト2世は、ジェンティーレより3歳若い47歳。
既にヨーロッパ諸国に強い驚愕を与えた1453年のコスタンティノープルの
陥落より26年後の事で、ヴェネツィア共和国との関係もしっかり回復していた
事でしょうが、こういう文化交流もあったのですね。

逸話が語るには、スルタンはジェンティーレに、彼の描く斬首の絵に疑問がある、
として、罪人を引き出し、実際に斬首場面を見せたのだと!

1502年レオナルド・ダ・ヴィンチは、時のバヤズィット2世・Bayezid II
に、これはメフメト2世の息子で、次代の皇帝に、
自分の設計した橋を、絶対の自信を持って、自分の首をかけても良い、と
売り込んだのを知った時、やれやれ、と逸話を思い出しましたっけ。

ガラタ橋は、釣り人天国 ・ イスタンブル
https://italiashinkaishi.seesaa.net/article/461093420.html



所で同じメフスト2世の肖像画ですが、他の画家が描いたのが2枚あり、

こちらはコスタンツォ・ダ・フェッラーラ・Costanzo da Ferrara、
イタリア人の描いた作品で、トプカピ宮殿の図書館蔵。

3-Costanzo da Ferrara , Ritratto di Mehmet II, Libreria del Topkapı Sarayi_Album_145ba.jpg

1450年頃の生まれで、画家というよりも、メダル作家としての作品が多く
検索に出ましたが、コスタンティノープルに滞在の記録は何もないという事。



もう1枚は、Sinan Bey作のミニアチュール、トプカピ図書館蔵

4-Sinan Bey  Ritratto di Mehmet II, miniatura, Libreria del Topkapı Sarayi_Album_10a.jpg

3枚とも同じ鼻をしているのが興味深く、コスタンツォ描く目も好みですが、



やはり全体としては、ジェンティーレの作品が、どっしりしていますよね?!

1-800px-Gentile_Bellini_003.jpg

ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵ですが、
展示はヴィクトリア&アルベルト・ミュージアムでされているそう。
いつかお目にかかれるチャンスがあるかな?!


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