・ ヴェネト  Veneto 


◆ ティツィアーノの生家  ピエーヴェ・ディ・カドーレ  
  Casa natale di Tiziano - Pieve di Cadore  5F 

S31_8384_01.jpg
   
DSC_4317.jpg
 

  16世紀のイタリアの画家、というよりも、ティツィアーノという
  名前だけで通じる偉大な画家の生家が、今もこの山間の小さな町に。
  生家は地元ではかなりの名家だった様子で、当時としては立派な大きな家で、
  幸いにして5世紀を経て殆ど手付かずで残っていて、現在は博物館に。


  この部屋は、2階にある台所兼居間という感じの、細長い石敷きの部屋で、
  囲炉裏端に子供の頃のティツィアーノが家族と一緒に座って暖を取ったり、
  スープをすする姿も思い浮かぶような部屋。

  大人になってからも、ちょいちょいこの家には戻っていたようですし、
  彼にとってはいつまでも心に残る生家だったのでしょう。


  部屋に入った途端、窓からの逆光で部屋の空気が青白く感じる、
  素晴らしく静謐な空間で、描きたい、描こう!!と痛切に思ったのでした。

  途中一度詰まりましたが、 ・・描けて良かった!!




   

◆ 冬の黄昏 オリアーノ村  
  Tramonto invernale - Ogliano   3F 
S31_8448_01.jpg

   
DSC_4329.jpg

  隣村オリアーノは、我が村スコミーゴよりも少し海抜が高いので、
  丘の稜線が良く見え、季節によって場所は移動しますが、
  いつもこの丘の向こうに日が沈みます。 

  オリアーノ村の教会の少し傾いた鐘楼、糸杉の列、点在する家、
  そして左に傘型の松の木、そしてもっと左に行くと下り坂の丘の形に添う
  松の木の並びと、見慣れた姿ですが、


  このモチーフはスコミーゴから坂道を下った所で、一番手前の丘の向こうに
  ヴェネツィア - ベッルーノ間の高速が通り、
  低い丘の起伏が次々とオリアーノに続き、

  夕暮れ時に戻って来た時、美しいなぁ!と時に眺めに感謝する場所です。




   

◆ 修道院の回廊 フォッリーナ  
  Chiostro:Abbazia di Follina  3P 
s+DSC04445.jpg
   

DSC_4327.jpg

  フォッリーナは街道筋の小さな町で、かっては羊毛加工工場もあった、
  商業的に現在も繁栄しているのか、良いホテルもある趣ある町ですが、

  その一廓に13世紀からの歴史を持つサンタ・マリーア修道院があります。


  このモチーフはその回廊の一部で、とりわけここに装飾された柱が多くあり
  気に入ってますが、柱の上部には如何にも中世を伝える人間の顔や鳥の姿も。

  内庭には大きな石をくり貫いたという泉もあり、静かな空気が漂う場所で、
  友人たちともよく出かけますが、夏にはこの内庭で音楽会などの催しもあるそう。






◆ ヴェネト早春 黄金色の午後  
  Inizio di primavera - pomeriggio dorato  3F 
S31_8459_01.jpg

   
DSC_4321.jpg

  我が家から車で20分程、サン・ピエトロ・ディ・フィレットという村に、
  同名の千年を越す歴史を持つ古寺があり、
  内部は年代ごとのフレスコ画装飾で埋まった見事な物。

    
  傍らの道から少し高い位置で、教会前から西に開ける展望はまさに素晴らしく、
  丘の起伏、広がる葡萄畑、点在する家々と、季節ごとに感嘆しますが、


  これはまだ早春の頃、教会の見学を済ませて出てきた時に見た、
  午後遅めの黄金色の逆光に染まった空と、
  目の前のまだ枯れ木の風景が素晴らしかった様子を。

  もう少しすると、木々の新芽が吹きだし、うす緑に染まる丘と畑です。




   

    

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック