・ ストラディヴァリのギター、サビオナーリ ご存じですか?

皆さま、暑中お見舞い申し上げます!

毎日暑い日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか?
shinkaiはブログのお休み中で、のんびりと、涼しい薄暗い部屋で
ゴキブリ生活を楽しんでおりますが、

少しばかり長いブログのお休みが気になり、へへへ、
ご機嫌伺に、ちょうど見つけたストラディヴァリのギターの話題、
はい、ヴァイオリンではなく、ギターの「サビオナーリ・Sabionari」
という、現在唯一残っている(弾ける)ストラディヴァリのギターの話題を、

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暑中お見舞い、残暑お見舞いを兼ね、ご案内いたしますね。
 

参考にしたサイト記事は、
サビオナーリ:アントニオ・ストラディヴァリの世界唯一の弾けるギター
La “Sabionari”: l’Unica Chitarra suonabile al Mondo di Antonio Stradivari

アントニオ・ストラディヴァリ・Antonio Stradivari(1644-1737)
多分彼は歴史上もっとも有名な弦楽器製作者である事は、
皆さんも良くご存じで、異存がない事と存じます。

ロンバルディーア州のクレモナで生まれ、亡くなった彼は一連の
弦楽器を制作し、グアルネリ・Guarneriと共に、
古典的な弦楽器の完成度に到達、と見做されていて、

彼は93歳の長い寿命において、約1100の楽器を作り、
その内の約600が今日残っているのだそう。

彼は有名なヴァイオリンの他に、マスメディアのレベルではあまり有名では
無くとも、ギター、チェロ、ハープ、ビオラなども制作しており、

現在残るヴァイオリンの価値は計り知れず、大変な価格が付けられますが、
まぁ、この点は今回触れない事にし、はい、


彼のギターで特別に有名なのが1本、全部で5本作った内の、少し特別な
経緯を辿ったのが今回ご案内の「サビオナーリ」で、
このギターが再び演奏可能になった、というのですね。

こちらが「サビオナーリ」

2-sabionari_GF.jpg

このギターは、ストラディヴァリの「黄金期」と呼ばれる時期の
かなり前、1679年の作で、

写真で見えるかな、弦が5本、そして上の4本は複弦と呼ばれる2本づつの、
つまり全部で9本の弦、なのですね。


ギターの名「サビオナーリ」は、このギターのかっての持ち主の1人、
ジョヴァンニ・サビオナーリ・Giovanni Sabionari、フェッラーラ人。
多分1900年代初めに、6本弦の現代風ギターに改装させた人ではないか、
と言われている人なのだそうで。

つまりギターがスペインで14~15世紀に生まれた時、複弦4本コースの、
計8本の弦の楽器で、ビウエラと呼ばれていたのだそう。

複弦というのは、1コース、つまりネックのほぼ同じ位置に2本づつの弦が
並んでいる訳で、最後のみ1本になっているのを、写真でどうぞ。

3-sabionari - Copia_GF.jpg

それが1600年頃から複弦の5コース、1800年代には単弦の6本となり、
この6本ギターが現代のギターの直接のご先祖に当たり、
「19世紀ギター」と呼ばれている楽器と。

が、当時は形が小さく、音も小さかったのを、現在の大きさにする、という
経過が必要だったわけですね。


で、ジョヴァンニ・サビオナーリが現代的な6弦ギターに変えさせたのを、
フェッラーラの弦楽器製造のジュゼッペ・マルコンチーニ・
Giuseppe Marconciniが、さらにより現代的な6弦に変えていたのだそうで。

そしてこのままの6弦のギターで伝えられていたのが、
つい最近、元の17世紀のオリジナルの素晴らしい形と、5弦に再修復したのが
シニエ・ド・リダー・Sinier de Ridderというフランス人弦楽器製作者。


ページの上で右クリックすると、日本語に翻訳して読むことが出来ますが、
ご夫婦が同学校で学ばれて以来の、一緒にアトリエ経営の様子で、以下に。

4-atelier5_GF.jpg

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ストラディヴァリが「サビオナーリ」を作って以来3世紀以上を経た2012年、
クリシュナソル・ヒメーネス・Krishnasol Jiménez、
ギターのバロック音楽奏者がこのギター、サビオナーリを使い、

フランスのルイ14世の宮廷で働いていたギタリスト、ロベール・ド・ヴィゼ・
Robert de Viséeが1682~1686年にかけて出版したメロディーを
CDに録音したのだそう。

7-CD-Sabionari_GF.jpg


Youtubeで見つけた、ヒメーネスがヴィゼの音楽をサビオナーリで
演奏しているヴィデオをどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=qNvMRuC6uEc

8-sabionari2_GF.jpg


大変典雅な音の響きと、メロディですねぇ!
ルイ14世と同じ音楽を聴けちゃった、という現代の恩恵ですね。



所で、上で最初に見て頂いた「サビオナーリ」の写真ですが、弦は上の
4コースは2弦で、一番下が1本になっていますね。

そして、CDの写真に使われている写真を見ると、5コースが全て複弦!

で、ヒメーネスのYoutubeを見ていると、どうも上の4コースは複弦で、
一番下は1本に見えるのですがぁぁ。

というよりも、もう1本のヴィデオで弾く手元が写ると、一番下の弦が
1本であるのがしっかり見えます。


9-sabionari2-1_GF.jpg



shinkaiめは、今回の最初でご覧頂いた写真、ロルフ・リズレヴァンド・
Rolf Lislevandのクレモナでの演奏会のお知らせにある楽器で
常に下は1本弦かと思っていたのでしたが、

その心算でよく見つめると、ネックには2本弦がかかるようになっているので、
現代の演奏家達は、実際に弾くのには1本で十分と思ったのかも!


最後は、そのロルフ・リズレヴァンドがサビオナーリを弾くヴィデオ、
現代の「タランテーラ・Tarantela」をどうぞ!

10-stradivali sabionari_GF.jpg


ストラディヴァリのギター「サビオナーリ」は、現在クレモナのヴァイオリン博物館
「フレンズ・オブ・ストラディヴァリ」コレクションに展示されているそうですが、
「Sabionari」のサイトもあり、Youtubeでは様々な演奏が見れます。

では、また9月に!


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