マルク・シャガール・Marc Chagall(1887-1985)のロマンティックな絵を
お好きな方は多いと思いますが、
お好きな方は多いと思いますが、
今回取り上げるのは1938年に描かれた「白い十字架上のキリスト」の絵で、
この第2次大戦がはじまる1年前の作品に、ユダヤ人類に起こった
ホロコーストの恐怖が描かれていた、という指摘で、絵の読み解きを。
この第2次大戦がはじまる1年前の作品に、ユダヤ人類に起こった
ホロコーストの恐怖が描かれていた、という指摘で、絵の読み解きを。
参考にしたサイト記事はこちら
La Crocifissione Bianca: il dipinto di Marc Chagall che anticipò l’orrore dell’Olocausto
絵はこちら、油彩 155×140cm シカゴのArt Institute蔵

絵の中央に、タリット・tallit、ユダヤ人が祈りを捧げる時に纏う典型的な
ショールを身に着けたキリストが十字架上におり、
聖なるものを表現するときに欠かせない棘の十字架は落ち、
白い布が頭の大部分を覆っていて、
白い布が頭の大部分を覆っていて、
十字架は、ここでは少し変わりT字型になり、いつも描かれるI.N.R.Iの文字、
「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」を現す言葉は、最初はゴシックで赤字、
ナチスによって流された血のように赤く、2行目はユダヤ語で。
「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」を現す言葉は、最初はゴシックで赤字、
ナチスによって流された血のように赤く、2行目はユダヤ語で。
キリストの足元には、メノラ・menorah、7本に枝分かれしたランプが描かれ、
これはユダヤのシンボルでは神の光を現しますが、
絵の中では5つの蝋燭に火が灯されてはいますが、もう1本は折れている様で、
7本にはいずれにしても1本不足ですね。
これはユダヤのシンボルでは神の光を現しますが、
絵の中では5つの蝋燭に火が灯されてはいますが、もう1本は折れている様で、
7本にはいずれにしても1本不足ですね。
そしてキリストを取り囲む周囲には様々な人物像と状況が描かれており、

向って左の中央には、燃え上がる家々が見え、その上には共産主義の
シンボルである赤い旗を持った軍隊が、
そして燃え上がる家々の下に描かれた「同盟」の船が割れ、破壊しており、
その下に見える2人の男、1人は首から紙をぶら下げ、まるでユダヤ人で
あるのに辱めを受けている様子で、
もう1人はトラ―・Torah、ユダヤ教の真髄について記したものを抱え逃げており、
あるのに辱めを受けている様子で、
もう1人はトラ―・Torah、ユダヤ教の真髄について記したものを抱え逃げており、
反対側には、シナゴーガと思われる大きな建物、入り口の上にはダヴィデの星
が見える建物が燃えており、
その下には緑色の服の男が肩に袋をかけて逃げており、
そのまた下にはトラ―が燃えていて、周囲には調度や文書が散らばって・・。
そのまた下にはトラ―が燃えていて、周囲には調度や文書が散らばって・・。
つまりシャガールは、ショア・Shoah・ホロコースト、ナチス・ドイツが組織的に
行ったユダヤ人等に行った絶滅政策を予見し、恐れ、
十字架刑を描き、ユダヤ人への迫害を表現したものと。
行ったユダヤ人等に行った絶滅政策を予見し、恐れ、
十字架刑を描き、ユダヤ人への迫害を表現したものと。
シャガールが描いたキリスト像は、単に宗教のシンボルとしてではなく、
戦争が記した悲劇的運命の「証人」として、描かれていて、
戦争が記した悲劇的運命の「証人」として、描かれていて、
戦争による痛みと、その波及効果により、ユダヤ人以外の世界も受ける痛みを、
十字架城のキリストを描く事により、キリスト教徒への波及も描いており、
十字架城のキリストを描く事により、キリスト教徒への波及も描いており、
実際シャガールの恐れが現実となった第2次世界大戦が続き、
その傷跡は今も現実に残っています。
その傷跡は今も現実に残っています。
という絵の読み解き解説でしたが、ロシア出身のユダヤ人として、
1923年からパリに住んでいた彼には、さし迫る戦雲の危機が感じられ、
この「白い十字架上のキリスト」を描かずにおれなかったのでしょう。
1923年からパリに住んでいた彼には、さし迫る戦雲の危機が感じられ、
この「白い十字架上のキリスト」を描かずにおれなかったのでしょう。
こちらは、1920年のシャガール。

第2次大戦がはじまった1941年にアメリカに亡命し助かり、
戦争が終わった1947年に再度パリに戻り、フランス国籍を取得し、
絵の活動が十分に出来た様子。
戦争が終わった1947年に再度パリに戻り、フランス国籍を取得し、
絵の活動が十分に出来た様子。
オペラ座の天井画なども描いており、その様子もまた出来たらご案内を。
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