◆ コルサーノの道 トスカーナは春 a Ville di Corsano 36,5x25cm 5P大
何年か前にサイトで見かけ、この道は一体どこにあるのだろう、と気になり探していた道。
トスカーナのオルチャの谷周辺と思っていましたが、少し離れた谷の村、上の地図に載せた
ヴィッレ・ディ・コルサーノから少し北の、東に向かう行き止まりの白い道、そうです、
トスカーナの有名な地道、車で走るともうもうと白い土煙のあがる白い道、がそれでした。
見つけた時はもうすっかり陽が高くなり、暑い程のお天気の日で、
遥かに見渡せるなだらかにうねる丘を巡る白い道と、高い1本の糸杉、そして奥に見える農家・
アグリトゥリズモに続く糸杉の並木道、遥か先には青空に浮かぶ小さな白い雲。
見つけ、写真を撮った時には、やっと見つけた!という感慨のみでしたが、家に戻って後
何度か眺めるうちに、なんとも素晴らしい風景、どっしりと落ち着きの良い風景と
感じ始め、渇仰し探していたもう一本の道よりも先に描いたのがこのモチーフでした。
トスカーナの春、を感じて頂けます様に!
◆ 古い小さな村の小さな店 モンティッキエッロ Monticchiello 27,5x21cm 3号
オルチャの谷の中心的存在のピエンツァの町の東、谷の向かい側に見える小さな村
モンティキエッロ。 何年か前にオルチャの谷探訪の時はこの村のアグリトゥリズモの宿を
基地としてあちこち巡った居心地の良い村で、美味しいレストランもあり、
村をぐるっと囲む城壁の外に出て張り出した展望テラスから、ピエンツァの町の向こうに
沈む太陽の夕暮れを粘って撮ったりも。
この小さな手芸用品店は入った事はありませんが、小さな緑の庭に面した村独特の厚い壁の
古い建物で、ガラス戸から見える小さな手作りの人形や動物の姿が見えますが、
ちょうどお昼時か祭日で中の明かりが消えておりました。
村の中のあちこちに猫ちゃん達が寝そべったり集まったり、城壁正面にある門が
村の唯一の出入り口で、車も住民の車のみのという、のんびりさが良く分かるのでした。
◆ 丘の上の農家 トスカーナ a Crete senesi 33x21,5cm 4P
昨年春トスカーナに出かけた時にシエナのクレーター風景を少し徹底的にと、宿を2か所に
分け2泊ずつ、地図に見えるヴェスコーナの南東の宿と、逆に北にほんの少しに。
これは南東の宿、ヴェスコーナから南に下ったフォンタネッレ・Fontanelleという場所の
細い道をずっと東に入って行った所にあり、この道は宿の所で行き止まりの道で、
地道をガタゴトと入って行った所にこの農家があり、そこからが物凄い下り道で、
最初見た時は、嘘じゃろう!と思い、ははは、車の中から写真を撮ったほど!
モチーフにしたこの農家は、宿から歩いて上って来た場所からの眺めで、上まで上り
農家の横でカーヴし前を通り過ぎ、またまた凄い傾斜の坂道を下り、深く落ち込んだ
クレーターの周囲をぐるっと雨上がりに2時間ほど歩いた時のものです。
農家は手前に見える大きな建物の1階部は多分中世からと思われる、基礎部が
外に張り出し壁の線が傾斜しており、2階と奥の平屋は後の建て増しで、
この場所に住み着いた農民と、彼らを護って来た古い農家の歴史を感じたものでした。
◆ アンギアーリの古い壁 Anghiari 33x22cm 4P
フィレンツェから電車で1時間ほどの南のアレッツォ迄、そして車で東に30k程の
位置にあるアンギアーリ・Anghiariは、まさに中世の面影を残す宝石箱の様な町。
歴史に町の名が残る一番大きな事件は、レオナルド・ダ・ヴィンチがフィレンツェの
ヴェッキオ宮の壁に残したという、幻の「アンギアーリの戦い」図で、500人広間の
ヴァザーリの現在残る絵の下に隠されているかもというので、数年前にヴァザーリの絵に
小穴をあけて調べるという騒ぎまでありました。
町は東のサン・セポルクロ、かのピエロ・デッラ・フランチェスカの生地、を望む高台に
あり、町から真っ直ぐ東に下る急傾斜の長~い坂道があり、この坂道の坂下あたりで
1440年6月29日に起こった戦闘で、フィレンツエ共和国+ヴェネツィア共和国+教皇軍と、
ミラノ公国との戦いで、連合軍が勝利したという物。
描いた階段脇の道は、壁にたくさんの碑が残る旧政庁もある中心広場に続く道で、
射しこむ午後の光に古い古い石組の壁が浮き出したもので、2012年イタリアでの最初の
個展の際に水彩で描いたものにもう一度挑戦した、気に入りのモチーフです。
◆ 自転車のある風景 ピエンツァ Pienza 35x26cm 5号
オルチャの谷は東端にあるピエンツァから西に、中程に南に延びる中世以来の街道主要点
であるサン・クイリコ・ドルチャ、南ヘはローマへの巡礼道であるヴィア・フランチージェナが
のび、ラディコーファニにも、で北東に上るとワインで有名なモンタルチーノ、という
珠玉の町が続きます。
が、まぁまぁ平坦な道はピエンツァ~サン・クイリコ間のみで、道を何度も往復し
脇道にも入り込み、良く知っている私めは到底自転車であの辺りを走破しようなんぞとは
ゆめゆめ思いもしませんが、
ピエンツァの町中の道脇には良く自転車・ビチが止められていて、道を走っていても
マウンテン・バイクでトスカーナ走破の強者どもの多いのを知るのであります、はい。
この日は曇り日、時に雨がぱらつく中心通りで4台ものビチの姿を撮りました。
モチーフにしたこれは、古いピエンツァ独特の茶色の如何にも脆そうな凝灰石の前に
寄せかけられたビチで、
描きながら車体の奥に見える壁の大きな穴、多分壁の石が剥がれ落ちた穴が幾つもあるのに
気が付いたり、改めてビチの軽やかな車体に秘められたたくさんのメカニズムの美しさに
魅せられたり、が逆に描くのは難しく、はは、楽しみながらも苦しみましたぁ!
◆ 霧の朝 トスカーナ a Crete senesi 24,5x15,5cm 2P

トスカーナのシエナから南東に下る道脇に広がるのが、シエナのクレーターと呼ばれる
かっての荒野、月の表面を思わせるという意味でのクレーターとも呼ばれますが、
現在はかなりの部分が耕され、ポコッと陥没地や、ごつごつの岩山があったりですが、
大きく小さくうねる大地の面白さに惹かれ、モチーフを探して回ります。
このモチーフは、地図を載せたヴェスコーナ・Vesconaから少し下り、南西に入る畑の中の
道を朝早くに進み得たもので、左の深い谷から上る白い霧が、大地の畝の間を流れ、
奥の大きなピンク色の農家がちょうど朝日を受けて輝き、素晴らしく美しかったのです。
霧の風景も止まった霧、流れる霧とあり、どちらも大好きですが、描くのは難しいっす!
◆ 糸杉のあるヴィッラ ピエンツァ Pienza 26x19,5cm 3P

世界遺産にも指定されているオルチャの谷のピエンツァの町ので外れにあるこのヴィッラ、
糸杉が前面一列に植えられた独特の眺めですが、蛇行する道の入り口脇に
「ICipressini・イ・チプレッシーニ・小さな糸杉(荘)」という表示があり、調べましたら、
アグリトゥリズモ・宿、となっている事を知りました。
サイトで見る写真には、道の両側の畑が麦畑のもありますが、私がモチーフにした
この時の様子は右が麦畑、左が何か別の植物で、色も多少違い、育ち様も違いました。
糸杉も風の影響か皆少し左に傾いており、絵の中で見た方が変に思われるかもと、
一旦の下描きを一応真っ直ぐの糸杉に、はは、変えました。
素晴らしいオルチャの谷風景も、ピエンツァの町も、この頃はとても観光客が多くなり、
とはいえ、やはり独特の雄大な風景、古い小さな町の姿は大変に魅力あるもの!
チャンスを見つけてお出かけ下さいね!
◆ トスカーナの緑 ピエンツァ Pienza 27,5x19cm 3P
オルチャの谷のピエンツァの町の西下外れにある古いロマネスク教会・ピエーヴェ・ディ・
コルシニャーノ、ここはコルシニャーノと言った自分の生地である古い村をルネッサンスの
町に造り替えようと奮闘したピオ2世教皇が洗礼を受けたというのでも有名ですが、
その脇から急な傾斜の地道が下り、下りきった道は緩やかな上り下がりをしながら
テッラピッレ・Terrapilleというアグリトゥリズモに行きます。
この道が映画「グラディアトーレ」の撮影に使われたと有名で、サイトで見つけた写真の
糸杉が何本か立ち並び、周囲に麦畑が広がるその風景に憧れ、頑張って急坂の上り下りをし
2度通った時に得た、畑の中の糸杉2本がこのモチーフ。
一見平凡な風景ですが、緑の違いと、如何にも平面的な分割が興味深く、
描いてみたかったモチーフです。
「グラディアトーレ」の道もいつか、ね!
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