・ トスカーナの丘風景 仕上げに向けてと、 フォルリで開催中のイタリア絵画展

トスカーナ風景を描き込みましたので、見てやって下さい。

丘の上の農家  トスカーナ  33x21,5cm  4P

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先回見て頂いた時と大きく違う点はありませんが、
空の雲を描き込み、丘の様子、農家にもあれこれ手を入れました。

面積の広い空と雲で、先回までは色鉛筆だけで塗り込み、白い色の部分が
あまりはっきりしていませんでしたが、

今回は雲の暗い所はもっと暗く、明るい部分にはグワッシュの白を重ねたり、
雲の形も一部少し変えたり、空の青も一段と濃くして見ました。

農家の壁も同様で、以前よりももっと濃く、というのも壁の色が明るいままだと、
どうも丘の上での存在感が弱く思われ、

丘の上に何世紀もある古い農家だというのは、1階部分の壁が横に広がる、
つまり裾が広がる形の壁にして補強しているのが見えるので分かり、
それで雲の色に比しての強さが欲しくなり、段々濃い目になってきたわけで、

手前の大地の形も、以前よりも描き込み、雲の影が落ちる部分の色も濃くし、
黄色い花が咲く部分には、グワッシュの黄色で強くなるよう、点々で打ち込みました。


という様にあちこち描き込み、これで一応置いて様子を見ようと思います。
どんなでしょうかぁ?


*****

今日の第2部   フォルリで開催中のイタリア絵画展

暫く前にサイトで見つけた絵の展覧会の記事、トゥーリングクラブ・イタリアの
2月13日の物で、https://www.touringclub.it/
「フォルリで、アイエスからセガンティーニのイタリア芸術・
A Forlì l'arte dell'Italia tra Hayez e Segantini」という記事がありました。

記事では94名の画家の作品、全部で150点展示で、2月6日から6月16日まで
フォルリの元サン・ドメニコ修道院博物館で開催中の展覧会とあり、、
サイトの記事に載っていた出品作品の写真は次の通りで、

一枚目はセガンティーニと分かりますが、他の作品はまるで知らず、

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5枚目の肖像は、イタリア統一後のイタリア王国の初代首相となったカミッロ・カヴール・
Camillo Cavourと分かりますが、



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どうもイマイチぴんと来なかったのですね。



それでもどうもかなり大きな展覧会である様な気がしてサイトで検索すると、
なんとなんと、展示の目玉のアイエスの「ルツ」が見つかり、おお!

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これはボローニャの市庁舎にある作品で、元々余りアイエスに惹かれていなかったのが、
この作品を見て、アイエスに対する私めの評価が変わった、という作品で、はい、


上に見える「Ottocento・オットチェント」は800年代、つまり19世紀を現し、

この展覧会のコンセプトとしては、イタリアの19世紀はイタリア国の統一が進み
王国になる統一戦争があった時代、「イタリア」という国の概念が出来、社会的
政治的にも動揺の時代であり、

また絵画で言うとロマンチシズムからリアリズモに向かい、折衷主義から象徴主義、
ネオリアリズモ、色彩分割描法へと移り変わった時代であり、

そして「グラントゥール」に端を発した、イタリア風景の美しさの再認識の時代でもあり、

そういう19世紀の作品を一堂に集めた様子で、作者の数が94名というのも納得で、
その中でやはり最初と最後の大きな花火的存在がフランチェスコ・アイエス・
Francesco Heyes、
そしてジョヴァンニ・セガンティーニ・Giovanni Segantiniというのですね。


サイトであれこれ見つけた作品写真には名前の載っていないのも多く、
あっても知らない名前ばかりで・・、shinkaiめがこれ、と思ったのを主にご覧に。

会場の入り口はこんな様子で、

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入口右に見える作品の、作品の全体がこうで、

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画家はテレマコ・シニョリーニ・Telemaco Signorini、タイトルはラルザイア・
L'Alzaia・引綱、18634年作で、彼の代表作だそう。



船を引く重労働の男たちの前にいる紳士と女の子、そして犬が、何とも言えない
重い気持ちを運んで来るのと同時に、上手い設定だなぁ、とも感じ・・。

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労働者階級を描いた絵として、これはよく見る作品で、というか、同じ主題でが
何枚かある様子で、

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画家はジュゼッペ・ぺリッツァ・ダ・ヴォルペード・Giuseppe Pellizza da Volpedo、
タイトルは「ラ・フィウマーナ・La Fiumana 大河の滔々たる流れ、充満」



そして豊かな家庭の幸せ、みたいなこれとか、

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美しい女性、上流階級の女性の肖像画もあり、またこんな肖像も、

17-canonica_donna-franca-florio.jpg



アイエスの作品は他に、ヴェネツィア総督フランチェスコ・フォスカリの息子ヤコポ・
Jacopoとの別離の悲劇と、

18-hayez-foscari.jpg

この逸話については、ドゥカーレ宮のご案内n.4に書いておりますが、
http://italiashinkaishi.seesaa.net/article/464579305.html

そこでは同場面を別の絵で、つまりアイエスは同主題を2枚描いているのも知り、

こちらでは親子の間の緋色の衣装の男が、フォスカリ家の敵ロレダン家の
フランチェスコで、
ブログ用に縮小しましたら良く見えなくなりましたが、彼はにんまりと笑っており、
左手の親指が、ほら、船が待っているよ、とでも言う様に曲げられており・・。



そしてアイエスのこの有名な「バーチョ・キス」も展示されている様子。

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そしてセガンティーニは、上の最初の一枚も素晴らしいのでしょうが、
この「春の放牧」の色が好きですね。 まだ光弱い春の牧場のイメージで。

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そして労働者たちの行進を描いたジュゼッペ・ぺリッツァ・ダ・ヴォルペードの
もう一枚、羊たちの行進 を最後に。 

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実のタイトルは長く、「生命の鏡、そして月と他の者たちがする事、?!・
lo specchio della vita e ciò che fa luna e laltre fanno」
う~ん、イタリア語に弱いshinkaiにはこういう比喩的タイトルはまるで・・。


いずれにしても、最初見た時の記事での感触とはまるで違う大展覧会の様子で、
見たい絵も何枚かあり、う、う、フォルリは少し遠いなぁ、と・・。

という展覧会のお知らせでした。


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