◆ ポピー 3号F
Papaveri


この絵のモチーフとなったパピーの花束は、ブログを通じて知り合い、
彼女の愛猫も描かせて頂いた、ブログ「セレナ日和」のabiさんの
ブログで見つけたもの。
彼女の秘密の花園にはたくさんの花が次々と咲き乱れ、猫ちゃんの写真
のみならず、花の素敵な写真もたくさんブログに載るので、よくチェックしに行くのです。
で、ポピーの大好きな私はすぐに、描かせて下さいとお願いを。
最初は陶器の花瓶に入っていたのを、私の希望で、お母様がガラスの花瓶に
入れ替えて下さり、背後にはお庭の木々も写っていたのですが、
描く時には最初から、背後は青空で、と決めていて、そのように。
本当に薄くてひだひだの花びら、光線も透けて見えるのを知っているので、
背後を青空にした時、どの程度にその問題を解釈するかという事、
また実際はもっと花々の色がオレンジとか、薄い赤とかあったのですが、
花束として描く時のボリューム感も考慮して変えましたが、でも何とか。
abiさん、素晴らしいモチーフを有難うございました!
◆ 薔薇 0号
Bocciolo


この薔薇の蕾のモチーフは、友人のそのまた友人の山間のお宅を
訪問した時に、薔薇が咲き乱れている広い庭で得たもの。
もっと大きく素晴らしい薔薇は花屋さんにはたくさんありますが、どうも立派過ぎ、
元気過ぎて趣に欠け、と思うのは好みの問題なのでしょうが、
皆さんもお家の庭に咲く薔薇に、とても嫋やかで素敵なのを見かけられませんか?
と言いつつ、さてそうゆう嫋やかで美しい、ほのかな色の薔薇をどう描くか?!
ははは、難しい問題です。
この小さな画面の薔薇に振り回され、はい、絵がそうではないよ、という
要求を幾つも出して来て、
もういいかい? まあだだよ、という何度ものやり取りがありましたぁ。
◆ 風に吹かれて 0号大
Nel vento


たんぽぽの綿毛というか羽毛がこんもりと丸くなり、光に煌きながら風を
待っている姿にはいつも惹かれ、カメラを持っていると撮らずにおれません。
いつか描こう!と思い続け、漸くに3年ほど前に一度描きました。
その時は殆ど丸い完全な姿で、ほんの一つの落下傘が飛び出した姿。
で、これは時々偵察に行く気に入りの葡萄畑、林のある場所で見つけた、
殆ど綿毛が風に飛ばされ、あと半分ほどが旅立ちを待つ姿。
すぐに絵のタイトル用に「風に吹かれて」という、フォークソングの名曲の名が
頭に浮かび、そうなると描かずにはおれませんよね、ははは。
バックの色も濃い色でなく、柔らかい優しい緑にしたく、
一つだけ、今飛び立ったばかりの綿毛を付け加え、描きました。
◆ 芽生え 葡萄 0号大
Germoglio di vite


我がスコミーゴ村は、私が住みだした26年前にはトウモロコシ畑もあり、
放置されたままの草原も多く、春には北の故郷に戻る羊の群れも
泊まったりののんびりさだったのですが、
近年の発泡性辛口白ワイン、プロセッコの不況知らずのお陰で、
次々と畑が葡萄畑に、草原だった場所も葡萄畑デヴューを次々に!
古い葡萄の木は引っこ抜かれ、新しくプロセッコとなる葡萄苗に植え替えられ、
と、どんどん様子は変わり、今では羊たちが寄れる草原も無くなりました。
ですが、葡萄の木そのものについては、村に住み様子を見ている内に、
本当に健気だなぁ、という目で見る様になりました。
春先の綿毛の皮に包まれた芽がピュッと出て、そこから小さな葉が出てくると
愛おしく、葉が茂り、小さな細い葡萄の房の赤ちゃんが伸びやがて膨らみ、
たわわな重い房となり葡萄摘み、そして葉が黄葉し散り枝が剪定される、
そんな一年のサイクルを毎年繰り返し、美味しいワインを提供してくれるのです。
早春の今、柔らかい産毛の光る芽吹きがあり、今年1年が始まります。
◆ 梨 サムホール
Pera


最初一応描き上げとし、暫く置いておいた後再び見て少し愕然、
な、なに、こんなにバックが暗かったっけ?
梨の色も今より黄身の強い熟れた色で、床も背景もグレーの濃淡で・・。
色を選ぶ時、性格が出る、その当時の精神状態が出るとか、というのは
本当かそうでもないのか、その辺りは置いときまして、へへへ、
再見した時には単純に、こりゃぁいけん!と。
で、さてどうする?と思った時、ふっと明るい空色が欲しくなり、
うん、空に雲を入れてと、この辺り理屈ではなくそう感じ、
前のグレーをゴシゴシ消し、
明るい空色を入れ、床のグレーも消しつつ、空色を重ね、
梨の色もそれにつれて明るめに変え、
空の明るいブルーも、どこまで下ればOKなのか、その辺りは塗りながら、
色の出方を見ながら決めて行き・・、
という最終の姿が、現在で~す、はい。
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