・ ヴェネツィア ・ Venezia 


◆ ムラーノ島のビザンティン教会 ・ デイ・マリーア・エ・ドナート
  La chiesa bizantina dei Santi Maria e Donato a Murano   51x38cm
7-1-C10_5626.jpg
7-2-ムラーノの….jpg
          

  ガラス製造の島として有名なムラーノ島は、ヴェネツィア本島の東の
  船着き場からは目の前に見え、ヴァポレット・水上バスで2つ目の位置。
    
  本島よりはのんびりとした雰囲気で、家並の低い運河沿いの家がならび、
  ガラス製品を売る店が幾つもあり、ちょっと入り込むと
  製造している様子を見せる工房兼の店もあります。

  少し薄暗い工房を覗くと、全て自動的コントロールのボタン付きの窯が並び、
  マエストロがいとも手際よく、壺だの馬だの、ちょいちょいとひねったり
  つねったりでさっと作って見せてくれ、余りにも簡単に見え、・・・脱線!


 
  この元は7世紀に溯るという、ムラーノ島の奥にあるビザンティン教会は、
  後陣の姿が大変美しく、描きたい!描こう!と少し大きめの作品に初挑戦。

  11世紀ごろに再建、と説明がありましたが、多分この後陣部分は
  かなり修復された部分がある、と見ます。  というのも、
  古い煉瓦が年を経てのみ得る色の変化、色が薄いオレンジ色から時に
  薄い鶯色の煉瓦が、角のすり減った丸い角となり、形も消耗してデコボコ、
  時に汚れがしみ込み黒くなる・・、そんな煉瓦がしっかり見えます。

  一方修復で取り換えられた煉瓦の壁は、四角い朱色ですっきりで趣に欠けますが、
  それでもこの後陣部分、本当に良く残ってくれたものです。

  濃い色の煉瓦を斜めに置いて柄をつくったり、アクセントの白い大理石の円柱、
  細かい彫りの施された柱頭と、テラス下部の帯模様。

  テラスの小さめのアーチの奥に射しこむ陽が陰をつくり、
  それもちょうどのアクセントになりました。
       




◆ サン・ジョルジョ島の夕暮れ ・ ヴェネツィア
  Il tramonto sull’Isola di San Giorgio ・ Venezia   33.2x22.5cm
6-1-V13_5833.jpg

       
6-2-IMG_1048.jpg

     
  ヴェネツィアの夕暮れ、それはやはりちょっと雰囲気が一味違います。

  海であっても海のようではなく、普通の港と違い雑多な物も見えず、
  サン・マルコの小広場や近くの河岸からみる落日は、
  蛇行する大運河の建物の並びか、
  夏ならサンタ・マリーア・デッラ・サルーテ聖堂の向こうに。


  日常の風景であっても、なぜかいつもと違う夕暮れを感じる不思議な街。
  こんな大きな街なのに空が広く、目の前の島には大きな教会が浮かび、
  千年もの歴史を持つ国の首都だったのに、総督宮の建物はまるで厳めしくなく、
  開放的な回廊を持つ白とピンク色。

      
  夕暮れの赤い空が徐々に薄れ、サン・ジョルジョ聖堂の正面に照り返していた
  西日も淡くなり、空が靄い始め、
  聖堂と横に続くヨット・ハーバーの港に点々と明かりが灯る。
  大運河の海は暗くなりはじめ、掃除の済んだゴンドラが覆いを掛けられ、
  たぷたぷとたゆたい、広場のカフェの生演奏が聞こえる。



  ・・そう、こんな夕暮れを迎えると、駅まで行き電車に1時間乗って家に戻る、
  なんぞという事は億劫になるのですよね、ああた。
  なんで帰らにゃいけん?!
  と、ならぬ様、ははは、サン・マルコ辺りで夕日を見る時は要注意。






◆ ゴンドラ  La gondola   29.7x22.8cm
5-1-V13_5835.jpg
       

5-2-IMG_1051.jpg

  コネリアーノの我が家からヴェネツィアまでは、電車で約1時間の距離。
  何かあると「ヴェネツィアに行こう!」と出かけますが、
  逆に通勤範囲内で泊まるチャンスがなく、
  日本からの友人の到着で漸くに一緒に宿泊し、黄昏て行く風景を楽しんだり、
  一杯飲んで夜遅くのヴェネツィアをふらついたり、ははは、ができます。

  そんな近くにあるヴェネツィアですが、やはりイタリア人の友人達にとっても、
  この街はちょっと特別な存在らしく、どこか気分的に「晴れの日」の街。
  なんとなしに浮き浮きして出かけて行きます。


  街の大きさは、我らの町から比べると大都会で、そのくせ車が通らず、
  物の間の細い薄暗い小路を抜け、小さな広場を突っ切り、橋を渡り・・、
  また小路を抜け・・、
  どこまでも自分の足で歩きながら、あっちにフラフラこっちにフラフラ、
  店のウィンドウを覗くのに道を自由勝手に横切ってもまるで問題無し。

  一般観光客用の安物を扱う土産物屋も多い代り、専門店や洒落た品の店、
  驚いて値札を見直す様な店もたくさん紛れてあるのが、やはり都会。


  イタリアの町は、少々大きな街でも中心部の古い地区は歩いて回れる大きさで、
  逆に歩き疲れる事が多いですが、それでものんびり歩いて回る事が行かに楽しいか、
  とりわけヴェネツィアは運河が縦横に流れ、橋の高さもあって眺めの変化が大きく、
  歩く事の楽しさ、居る事の自由さを感じる街。

  日が射し、陰り、変化する水の色。

  昨年の夏一緒に歩きまわった若い友人は、運河に泳ぎ回る小魚を見つけて喜び、
  ブログでこの絵を見て、
 「あの緑色の水の下に、小魚がいるのを私は知っている!」と。






◆ ブラーノ島に吹く風  Tira vento a Murano   25.5x21.5cm  
4-1-G31_2937.jpg
       

4-2-ブラーノ….jpg

  ブラーノ島に到着し島の中心の広場に行くと教会があり、
  島の名物レース編みの博物館もありますが、
  この運河沿いのいわば目抜き通りはレース編みの店、レストラン、バール、
  土産物店等などでびっしりと埋まっています。

  が、一歩横に通りを入った途端、家の前に張り渡されたり小さな広場に
  張り渡された綱に、盛大に翻る彩り豊かな洗濯物!

  バスタオル、花柄のお寝間着、女物レース入りショーツ、男物ブリーフ、
  ははは、なんでもござれ!  
  家族構成、体型、色の好みまでも全てわかる仕組み、でござるよ。


  綱の真ん中に見える棒は、下がった低い綱の位置で広げ干した後、
  あの棒を使い高く支える為で、なぜかこの島でのみ良く見かける気がします。

      
  色鮮やかな壁の色に惑わされ、なかなか洗濯物が軽く翻ってくれず、
  かなり手こずりましたが、漸くなんとか収まったかなぁ、と・・。






◆ ブラーノ島の昼下がり  Un pomeriggio a Burano   28x21cm
1-1-V13_5820.jpg
       

1-2-IMG_1044.jpg      

  ヴェネツィア本島からヴァポレット・船バスに乗り約1時間ほどで、
  島中の家が其々色鮮やかに塗り分けられた、有名なブラーノ島に到着。

  運河が通り、並ぶ家は殆ど2階建の低い家並が続き、
  まぁ、本当に各自好きな様に、各家が色を競いあうように色とりどり、
  色が溢れかえります。

  そしてこの島の家の特徴として、玄関入り口の前に必ずと言って良い程、
  カーテン又は縄のれん式の目隠し兼風通しがある事、
  綺麗好きの主婦健在を示すかのように、箒やモップ、バケツが戸口の横に
  逆さに立てられている事、洗濯物が盛大に干されている事、等など。

  ヴェネツィアであってヴェネツィアでない、興味深いモチーフに溢れている島!






◆ 舟溜まりのゴンドラ ・ ヴェネツィア  Le gondole. Venezia  18x12cm

2-1-771.jpg       


2-2-G31_1801.jpg

  ゴンドラは大体1艘か2艘道脇の運河沿いに係留し、ゴンドラ漕ぎ・
  ゴンドリエーレが客引きをしていますが、
  大きなゴンドラの舟溜まり、何艘ものゴンドラが並んで係留している所もあり、
  ここはサン・マルコ広場の北西のアーチを潜って出た所。

  湾の様に入り込んだ形で、向こう側のホテルにグループでの初のヴェネツィア訪問
  で宿泊し、ここからゴンドラに乗りこんだ思い出も。

  周囲をぐるっと建物が囲んだ場所なので、殆ど水面は陰になり、
  その分周囲の建物、空の反射が映る舟溜まり。






◆ ヴェネツィア 冬の夕暮れ  Una serata invernale. Venezia  25x18cm
3-1-014.jpg
       

3-2-013.jpg

       







・ ドロミーティ ・ Dolomiti 


◆ メッザーノの山の家  
  Una casa di montagna a Mezzano  30x22.5cm

4-1-4802.jpg       

4-2-メッザーノ….jpg       

  ドロミーティの山の家の特徴は、1階は石組みの壁、上階は木組みで、
  屋根が雪の落下防止のフックの飛び出たトタン張りが多い、でしょうか。
       
  1階は住居、または家畜達の家で、上階は干し草、薪置き場だったと。
  上の階は風通しが良い様に木組みが工夫されているのが、
  見た目にもとても美しく、
  それが山の家を描いてみたい、という動機になりました。

  そして描き始めてから、梁の木組みはどの様に組まれているか、
  今は古く朽ち果てた木がどこから何の役で突き出していたのか・・、
  そんな事も知りましたが、

  このメッザーノの家の軒下の美しさ!!
  たくさんの山の家でも、これだけ美しいのはなかなか見つかりません!






◆ かっての山の民の家では  
  C’era una volta nella casa dei montanari a Mezzano   30x25cm

3-1-かつての山の民の家では.jpg       

3-2-かっての….jpg


  ドロミーティの息子の山の家に出かけた時、古い物が好きな私を連れて、
  セルジョがメッザーノ・Mezzanoの町の、木で作ったモザイクの作品群を、
  また古い両親の家を私設博物館風に、生活用具、農具、衣類、写真等など
  を展示している家にも。


  これは実際は、両脇にかっての古いベッドがあり、マットレスの中身は
  トウモロコシの皮で、
  その間に挟まれていたコモ・Comodinoの略・と呼ばれる小箪笥で、
  下の扉の中には琺瑯引きのおマル。


  以前静物を描いていた頃、何度もこのガラス製ランプを描いた事があり、
  重ねられた古い本、擦り切れた革の表紙、外れた紙など懐かしく、
  描きたくなりました。

  問題は古いゴツゴツした石組の上に塗った壁なのですが、
  グワッシュを使ったりお汁を掛けたりで、
  昔静物を描いていた時の壁の描き方を思い出し・・、楽しかった!






◆ 納屋の壁・トランザックワ  
  Il muro di un fienile. Transacqua -Trento  22x14cm

5-1-996.jpg       

5-2--G31_1806.jpg  


  数年前次男夫婦がドロミーティの麓の村シロール・Sirorに古い家を買い、
  自分達で改装し、夏の間3カ月間ほど出かけるようになり、
  私も壁にちょこっと絵を描く事を条件に、ははは、数日間3食付きで遊びに。

  近辺の町村のあちこちで開かれるお祭りや行事に合わせて出かけ、
  素朴な食べ物を味わったり、かっての山の生活を見たり退屈せず、
  ハイキングにも。


  これは近所の村を散歩がてらに歩いた時、トランザックワ・Transacqua
  で見かけた納屋の壁で、横棒に掛けてあるのは麦束ではなく、麻の一種。

  自分達で塗ったらしいデコボコの厚い納屋の壁、
  そしてやはり手作りらしい素朴な農具、
  そんなのが身近にある、山の村の風景。






◆ シロールの山の家 2 
  Una casa di montagna 2. Siror - Trento  長野市芹田小学校寄贈

2-1-008.jpg       

  昨年10月に放送された「おお、信州人!」の番組中で、
  長野朝日放送さんのご仲介により、
  長野市で6年間通った芹田小学校に、絵を寄贈する事が出来ました。

  そのお話が出た時、どんな絵が良いかと考えました。
  私の通っていた時代と今とは違うとはいえ、
  それでも、ヴェネツィアのゴンドラの絵などを贈りたくはなかった。
  そして、ちょうどそのお話の少し前から描きだしていた
  このシロールの山の家の絵が良いと思ったのです。

  イタリア、という言葉の響きから受ける普通一般のイメージ、
  それはまずファッションであり、スパゲッティであり、
  赤いフェッラーリであり、ミケランジェロかも。

  でもそんな華やかな物の奥には、着実な一般人の暮らしがあり、
  厳しい山の民の暮らしがある。
  信州出身者の目を通してのそんな想いを、贈りたかったのです。

  絵の寄贈なんぞは、もっと有名な、力のある画家のする事、と
  自分は考えた事も無かったのですが、
  昨年はそんな事も、すらっと出来てしまった不思議な年でした。




◆ シロールの山の家 1  
  Una casa di montagna 1. Siror - Trento   31x21cm

1-1-355.jpg       

1-2-V13_7999.jpg

       









・ トスカーナ ・ Toscana 


◆ モンテリッジョーニの古い壁  
  Un vecchio muro a Monteriggioni   33.5x25cm
7-1-V13_5816.jpg
         
7-2-モンテリッジョーニ….jpg

  トスカーナはシエナの北西に位置するモンテリッジョーニ・Monteriggioni。
  町というよりも村と言った方が正確な感じがある小さな小さな町で、
  周囲をぐるっと市壁が囲み、かって対フィレンツェのシエナの要塞の地だった、
  その面影が良く残っていて、市壁の一部の上にも上がる事が出来ます。


  この裏通りにあった家並は、町でも一番古い建物が残る通りの一郭、
  古いごつごつした、年を経た石組みの美しさにすっかり魅せられ、
  が、描くのは大変難しかった!


  確かこの絵あたりから徐々に色鉛筆を使い始め、
  赤いペンキのはげ落ちた扉の描き込み、木目が浮き出している様子や
  色の変化は、色鉛筆の使用法を大いに納得し、楽しくなった部分です。






◆ 黄昏のアルノ河 ・ フィレンツェ  L’Arno al tramonto   27x21.5cm
3-1-177.jpg
3-2-アルノ河….jpg

  3年前の秋9月の末にフィレンツェに出かけた時、
  ヴェッキオ橋の上からのアルノ河の夕暮れを撮りに3晩ほど。

  徐々にそして刻々と空の色が変わり、既に暗い水面を行ったり来たり
  トレーニングを続けるカヌーの櫂が動く度に水が煌めく。
  夕暮れの色が濃くなるにつれ逆に明るくなる街灯の色、車のライトの流れ。
  
  肉眼で見える色と、カメラのISOを上げて撮る空の色の違いも興味深く
  追いかけ続け、とっぷり暮れて漸くに宿の近くの中華料理屋に
  ホッと落ち着いてのビールが美味しい、はは、フィレンツェ滞在。


  夕暮れの空の色が描きたくて始めた絵ですが、
  すぐ乾く水彩で空のグラデーションを付けるのがなんと技術的に難しいか!
  グワッシュも使って塗り重ね塗り重ね、なんとかかなぁ、と
  次に水を描き始めた時にハタと戸惑い、
  どう描く?  どう描きたい?  どう描いたら良いんだろ?


  遂に中途で放り出し、これはもうお蔵、と思っていたのですが、
  色鉛筆を使い始めて後、濡れ色と乾き色の変化が無い、色が既にある、
  塗っている途中でも乾く心配が無い、
  ・・つまりグラデーションを出すのもお茶の子サイサイと、ははは、
  色鉛筆の使い良さが分かって来て、

  なんとかなりそう、と長い中断の後取り出し、橋の下の水の部分が
  もっとあったのを切り取り、夕暮れの水の色等などを描き込みました。

  イタリアで時に見かける、とろんとしたピンク色の夕暮れ、
  それがなんとか出来上がったのが、とても嬉しいです。






◆ ゲットーの小路 ・ ピティリアーノ  
  Un vicolo nel Ghetto di Pitigliano - Toscana    17x20.5cm

6-1-4798.jpg       


6-2-ゲットー….jpg

  かって「小ジェルサレム」と呼ばれる程の規模のゲットーがあった
  ピティリアーノ・Pitiglianoの町。
  町の目抜き通りに今もユダヤのパン屋さんがあり、お菓子も売っている、
  そのすぐ脇にこの建物の下を潜る石段があります。
   
  本当に暗い古い石段を下の突き当たりまで下り、正面に見える黄色い壁に
  添い右折すると、一番奥にシナゴーガがあり、建物の下がゲットー博物館。

  上記の店ではなく、博物館に含まれる形でかっての古いパン屋の窯もあり、
  葡萄の搾り機も、貯蔵庫も、家畜の屠殺場も、沐浴場も見れるのですが、

  全てこの凝灰岩で出来た町の下、半地下から崖に掘られた横穴式の構造で、
  その暗さと岩のゴツゴツさ加減!
  読んでそれらがある事を知り見に行った訳ですが、
  現実にその暗さと生活場所の凄まじさを見ると、正直な所、少々怖気が。


  射しこむ光にすり減った石段が光り、狭い建物の間にも落ちる僅かな明かり。
  長い時を経て朽ちかけた古い壁の集まりですが、
  暗い中にどこか静謐な明かりが満ちている様子を、描きたかったのです。






◆ ピエンツァ遠望 黄昏  Il tramonto. Pienza - Toscana   30x10cm

4-1-994.jpg       

4-2-ピエンツァ….jpg

       
  トスカーナ東南部に出かけた時、基地にしたのはピエンツァ・Pienzaの東
  約9kの位置にある小さな町モンティキエッロ・Montichielloの民宿風の宿で、
  大きな古い建物の上階にあり、1階に女主人の経営する画廊兼土産物店。

  小さな町をぐるっとかっての城壁が囲み、夏には町の広場の特設舞台で、
  町の人々が演ずる「貧しい劇場」が有名で、私が行った時はその直前。
  舞台がトンテンカンと建設中で、夜の教会で最後の練習が行われるのか、
  人々が集まり・・。

  こんな小さな町がなかなかの奥深い歴史を持ち、古い石造りの
  どっしりの建物が並ぶ様は壮観で、
  おまけに素晴らしく美味しいレストランを見つけ、2晩通いましたっけ。


  西の丘の上に見えるピエンツァの向こうに沈む夕日を撮りたいものの、
  7月の上旬の事とて落日は夜の10時近く。  
  こちらも丘の上の町、ひろ~い平野を吹き抜ける風は肌寒く、
  鳥肌立てながら、ははは、町の端の駐車場で3晩粘った想い出の風景。






◆ 麦刈が済んで ・ トスカーナ・ピエンツァ  
  I campi di grano in luglio. Pienza - Toscana  30x20cm

5-1-819.jpg       

5-2--813.jpg

  トスカーナの地は広く広く大きく波打ち、太古には海の下だったというのが、
  素直に頷けますが、7月初旬何日間か、ちょうど麦刈の季節に訪れました。
        
  トラクターがぐるぐると動き刈り取り中の畑、まだ麦の穂が揺れている畑、
  そしてこんな風に太いトラクターが刈り取った畝が残っている畑。
  乾いた大地が黄土色の濃淡のハーモニーで埋められ、
  時に糸杉の列がアクセントを。

  そう、次に訪問する時は、緑に埋まる大地を見たいもの。



◆ アンギアーリの古い壁  
  Vecchio muro ad Anghiari. Toscana   20x29cm

1-1-158.jpg       


1-2-G31_1819.jpg

  「アンギアーリ」という町の名、最近特に有名なのでご存知の方も多い事と。
  そう、フィレンツェのヴェッキオ宮の大広間にあるG.ヴァザーリの壁画の下に、
  ひょっとしてレオナルド・ダ・ヴィンチが描きかけた
  「アンギアーリの戦い」が残っているのではないか?!
  とヴァザーリの絵に穴を開け調査をした大騒動。

  結局何も見つからず、さっと穴を閉じてあっけないお終いとなりましたが、
  その幻のダ・ヴィンチの絵のモチーフ、「アンギアーリの戦い」があった町。


  町は平野にぐっと突き出した形の、中世がしっかり残る古い町。
  古い見事な壁を見ると、嬉しくてにこにこの壁フェチの私ですが、
  そんな壁があちこちに。
  20年ほど経ての再訪で、町が有名になった分少し観光地的に整備されて
  おりましたが、
  やはり変わらぬ姿で迎えてくれたのでした。






◆ 窓のある古い壁・アンギアーリ  
  Vecchio muro con finesra. Anghiari - Toscana  30x21cm
8-1-988.jpg
       

8-2-G31_1809.jpg

     








・ ウンブリア ・ Umbria 


◆ 坂道の小さな薔薇窓 ・ アッシジ  
  Il piccolo rosone dalla stradina in discesa - Assisi   18.5x12.5cm

2-1-V13_5826.jpg       


2-2-V13_5846.jpg       

  アッシジの町の建物は白とピンクの石が使われているのが多く、時に
  少しオレンジが入った色の変化で、とても美しい建物、町並みですが、
  サンタ・キアーラ教会は白とピンクの2色が横縞模様に使われ、
  とても典雅な雰囲気をかもします。

  この小さな薔薇窓は、サンタ・キアーラ教会から西にだらだらと坂道を
  下って来た所にある聖ジュゼッペ修道院。
  左側の建物は後に建てられた様子で、薔薇窓の位置が中心からずれ、
  朝日を受け輝く建物の壁と、薔薇窓の中の空のブルーの色の反射が
  とても印象的だった記憶があります。






◆ アーチの向こう・アッシジ  Oltre l'arco. Assisi   21x30cm

3-1-964.jpg       


3-2-997.jpg

  アッシジの町は東西に長く広がり、町自体が丘の上で傾斜地に沿う形。
  町の東側にドゥオーモのサン・ルフィーノ聖堂とサンタ・キアーラ教会があり、
  西端にサン・フランチェスコ大聖堂があり、町を挟む形。

  東西に歩くには、時に緩やかな傾斜があるもののまぁ大丈夫。
  が南北に動こうとすると、坂道、石段、こんな風に建物の下をくぐる石段。
  あ~あ!と思いつつ、モチーフを求め行ったり来たりする訳ですが、
  アーチの向こうの下の道に朝日が射し、
  ひんやりした空気が見えたりすると、おお!!

  イタリアの素敵な古い町はトスカーナもウンブリアも、大体どこもが丘の上。
  ・・はい、イタリア旅行をお考えの方、脚を鍛えてお出かけ下さ~い!!




◆ アッシジの小さな古い窓  Vecchia finestra. Assisi   22x30cm

1-1-815.jpg       


1-2-995.jpg

  アッシジには既に5回程出かけておりますが、最初の3回は、
  これは日本からのイタリア初旅行から引き続いての訪問で、
  その後16年ほど経過し、車の免許を取り自分で運転して
  始めて出かけたのがウンブリア地方。
  大いに楽しみ味を占め翌年もまた出かけ、春のお祭り「カレンディマッジョ」
  も楽しんだり、周辺の町村も訪問したり・・。


  アッシジの町の良さ、素敵さは、中世がしっかりその面影を残し、
  でも暗くない事でしょうか。
  多分建物の石の色、白とピンクの明るさも大いに関係しているでしょうし
  イタリア国の守護聖人でもある聖フランチェスコの町、という
  たくさんの参拝客の華やぎもあると思います。


  この小さな窓のスケッチを取ったのはずっと昔、22年前の
  フォンテべッラ通り・Via Fontebella、
  「盾の泉」と呼ばれる大きな素晴らしい泉がある通りですが、
  今は車がびっしり駐車し、かってののんびりとスケッチが出来た面影は
  なくなったものの、でもこの窓も泉も健在。

  長い時を経ても基本はまるで変わらず、すぐにかっての感覚を取り戻せる、
  そんなイタリアの田舎の良さ、アッシジの良さが大好きです。






・ ラツィオ ・ Lazio 


◆ チヴィタの小路  Un vicolo. Civita di Bagnoregio   30x22cm

1-1-005.jpg       

1-2-チヴィタ….jpg

  チヴィタの町は「死にゆく町」と表現されます。

  凝灰岩の岩盤が突出した上、まるで空中に浮かぶ島の様な町の姿で、
  バーニョレージョの町の端から、谷に掛け渡された細い橋を渡ります。
  車は通らず、町に生活物資を運ぶモーターバイクの荷車のみ。
  観光業に携わる人達は通っている様子で、実際の住人は十数人とか。
  凝灰岩の岩盤がゆるく、既に廃墟になっている家も見かけますが、
  それでも後何千年かは・・。


  そんな小さな小さな町の細い裏道、
  年代を経たもろい壁に埋もれた古い納屋の扉。
  薄い水色の剥げたペンキ色が、どこか懐かしく。








・ ポルトガル ・ Portogallo 


◆ ポルトガル・アルコバッサの天使像  
  L'Angelo. Alcobaca - Portogallo   27x20cm

1-1-991.jpg
       
       
1-2-アルコバッサ….jpg

  ポルトガル旅行はとても楽しかった!
  毎日バスで移動南下しホテルも変わりましたが、それも楽しく
  食べ物も美味しかった。
  ただ観光する場所が殆ど大きな教会というのばかりで、
  それに皆が少し文句を言いましたが・・、ははは。

       
  この天使像は、ポルトガル中部のアルコバッサ・Alcobacaのシトー派の
  大聖堂にある、ペードロ王の棺に付き添う6名の天使像の一人。
  ペードロとイーネスとの有名な悲恋が語り継がれますが、
  私が気に入ったのはこの天使の横顔。
       
  古い絵や彫像には、その素朴さ稚拙さが持つ独特の、語りかけてくる様な
  雰囲気や力強さが感じられ、それがとても好きです。



・ モザイク ・ Mosaici 


◆ ラヴェンナ・モザイク  テオドーラ妃  
  L’Imperatrice Teodora - Mosaici a Ravenna   14x14

2-1-H17_5168.jpg       

2-2-テオドーラ….jpg

  30年近く前の初めての海外旅行、グループ10人程でイタリアに
  やって来た時にラヴェンナも訪問し、
  この有名で素晴らしい作品も勿論見てカタログも買い、がその記憶のみで、
  当時の私は古いフレスコ画や祭壇画の方に夢中になり、
  その挙句に油絵からテンペラ画に転向したほど。

  3年前の秋に再訪再会し、このモザイクに改めて感嘆したのでしたが、
  それよりももっと大きな衝撃は、街のインフォメーションのショウウインドウ
  いっぱいに、彼女の顔部分の大写真を見た時!
  なんとまぁ、紫やピンクが使われ、髪飾りも真珠貝、
  そして何よりも驚いたのは職人の腕前!

  遠くからは単にはっきりくっきりの美人顔が、
  傍でじっくり見るとちょっと酷薄そうな薄い唇をし、それも左右が整わず
  下がり加減、目の隈も大きいし、
  私にはちょっと描き切れなかった冷たい目ざし!なんぞがしっかり分かり・・。

   
  元娼婦だったと言われ、かなり年上の皇帝を蕩かし焚きつけ、
  身分違いの結婚を許さぬ法律さえも変えさせ、遂に皇帝妃になった彼女。

  美人であるだけでは到底出来ない事をやり遂げた皇帝妃を、
  こんな風に表現して見せた職人の見極める目の凄さ、腕の確かさ!
  この大アップを見た時、描きたい!と強烈に思ったのでした。


  ウィンドウいっぱいの大きなのを見た割には絵が小さいですが、ははは、
  これは額屋で見た素敵な竿が欲しく、でも短いので、
  四角の額でも良いかなぁ、と呟いたのですが、次に行くと
  既に四角い額が出来上がり、shinkaiと書いてあるではないですかぁ!

  で、太めの四角い額に負けないモチーフは、と考え、
  彼女のお出まし、という訳です。







◆ ラヴェンナ・モザイク 鳩のいる泉  
  I piccioni sulla fontana. Mosaici di Ravenna  30x21

1-1-973.jpg       

1-2-鳩….jpg

       








・ 猫ちゃん ワン君 ・ Gatti e Cani 


◆ 日向ぼっこ・ピティリアーノ
  Un bagno di sole a Pitigliano - Toscana   12x17cm

3-1-654.jpg       

       
3-2-IMG_1046.jpg

  ピティリアーノ・Pitiglianoの町、凝灰石の岩盤の上、断崖から
  直接立ちあがる建物がびっしりとひしめく町の姿の写真を見てから、
  見に行こう!と思っていましたが、

  やはりやはり凄い姿の町、そして町が抱える深い歴史も知ると、
  簡単気分では逆に軽~く撥ね飛ばされそうで、未だにブログでもご紹介無し。

  「小さなジェルサレム」と呼ばれる程の大きなゲットー・ユダヤ人居住区が
  近代まであり、現在博物館なのを見学しましたが、これもなんとも凄かった!


  そんな町に到着した翌朝は少し雨模様で、ゆっくりゆっくりと
  あちこち覗きながら町歩きの時、
  漸くの薄日を、体いっぱいに受けるかの様な猫ちゃんを見つけました。



       


◆ ソラーノの猫  Un gatto a Sorano - Toscana  15x24cm

4-1-772.jpg       


4-2-ソラーノ….jpg      

  トスカーナ州の東南端近くに位置する小さな町で、この周辺はエトルスク期
  からの長い歴史を持ち、雰囲気も位置状態も、絵のモチーフにぴったり!

  町中の狭い道に家並が続き、ほんの少しの傾斜で、
  町の東端には古い高い要塞が残り、上がちょうどテラス状になっていて、
  町の素晴らしい家並を眺められます。
  要塞の向かい側、町を挟んで高台に現在ホテルになっている古い城館が聳え、
  町に惚れ込んだ我が友人は翌年一人で再訪し、
  坂道を毎日上り下りするホテルに宿泊、スケッチに励んだそう!


  車の入りこんで来ない狭い町中は猫ちゃんたちの天国でもあり、
  あっちにもこっちにも一人歩きの猫ちゃん。     
  こういう町が良いなぁ!






◆ トリエステのワン君  Un cane a Trieste   19x16cm

5-1-475.jpg       

5-2-807.jpg


  イタリアの東北部最端にある街がトリエステ・Trieste.
  古くからの大きな港町で、オーストリアの影響をも深く受け、
  また第2次大戦後には長く国連委託の下に、ユーゴスラヴィア連邦の統治下
  にあった複雑な歴史を持つ街。

  冬には台風並みのボーラと呼ばれる強風も吹き付ける事もあるものの、
  港町独特の明るい陽光に満ちた、訪問するとなぜか心が浮き浮きする街。

  このワン君には港から近い広場で会いましたが、
  若い友人達とお喋りに弾む主人に断固背を向け、短いアンヨで横座りし、
  一人無念無想に浸る・・、
  俺は男だ!の気骨を示す様子が大いに気に入り・・!





◆ 広場の猫・ベットーナ  
  Una gatta in piazza. Bettona - Perugia   29x19cm

2-1-012.jpg       

2-2-広場の猫….jpg   


  「イタリアの一番美しい村々」にも選ばれているベットーナ・Bettonaの町。
  ウンブリアのアッシジの町から平野越しに西の山の上に正面に位置し、
  夜には町の灯が見えます。

  美しい村の一つに選ばれるだけあり、なかなか歴史と雰囲気を持つ可愛い町で、
  おまけにこんな小さな田舎の町にある美術館がなかなか良く、建物も重厚。


  すぐ前の広場の向こうには市役所があり、その広場にいた野良猫ちゃん。
  ふと気がつくと授乳真っ最中のお母さん猫で、ポチッとピンクの乳首が見え、
  痩せた猫ちゃんが何かしらとても愛おしくなりました。
       
  おまけにこんな素敵な影も作ってくれ・・。
  元気で頑張ってね、のエールも込め、ピンクのポチッも描き込み。






◆ にゃ~こ   Nyaco    16x20cm

1-1-968.jpg       


1-2-993.jpg

  「にゃ~こ」は、ブログ友達のゆんぴょさんちの猫ちゃんで、
  ぷっくりと丸く、目が緑色をした可愛い美猫。
  6年前四国に渡った時にお邪魔し、そっと抱っこさせて貰いましたが、
  私が写した写真の中ではやはり緊張した顔を。

  これはゆんぴょさんにお願いして送って貰った写真2枚から描いたのですが、
  ええ、ちょっと緊張した顔になり・・。
  しっかり描かないと、という私の気持ちが出てしまったのかも!

  彼女は今年19歳、
  元気で長生きしてね!!